買収交渉中と報道のジップメックス、バベル・セルシウスに法的措置の可能性

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 ジップメックスは、「複数の関心ある団体」からの買収提案を検討している。同社は先週、顧客による出金を停止していた。

 問題を抱えている暗号資産(仮想通貨)取引アプリのジップメックスが、複数の投資家からの買収提案を検討していると報じられた。シンガポールに拠点を置く同社によると、複数の関心ある団体との協議が大きく進展しているとのこと。このうち1つの団体は、すでにMOU(覚書)で売却条件を提示しているという。

 ジップメックスは、契約に関する詳細や、買い手候補を明かさなかった。しかし、買い手候補が対象企業の財務諸表などを精査することができるプロセスである、「デューデリジェンス」を開始する意向だという。

 ジップメックスは22年3月、コインベースによる買収の可能性が浮上していた。しかし、協議を重ねた後、コインベースはシリーズB+の投資ラウンドの一部として、戦略的投資を行うことを選択した。

ジップメックス、暗号資産市場低迷と関連する出来事の影響で買収検討

 ジップメックスの買収報道が出るわずか数日前、同社はセルシウスと同様の方法で顧客資金の出金を停止している。また、この出金停止はデジタル資産市場が軒並みに下落している中で行われた。出金を停止した翌日の公式声明では、苦境にある複数の暗号資産企業にかなりの投資を行っていたことを明らかにしている。同社によると、セルシウスに500万ドル、バベル・ファイナンスに4800万ドルを預け入れていた。バベルは、香港に拠点を置く暗号資産金融サービスプロバイダーで、同社も現行の状況を踏まえ、出金を一時的に停止すると発表していた。

 ジップメックスは、バベルとセルシウスとの問題解決に向け、積極的に取り組んでいると述べている。資産を取り戻すために、同じように苦境に立たされているこの2社に対して法的措置を取る選択肢も排除していない。同社によると、米SEC(証券取引委員会)がこの動向を把握しているという。

 「SECは、この状況をよく把握しており、私たちは全面的に協力している。コミュニティや規定当局、影響を受けたすべての関係者とオープンな対話を続けていく」と同社は述べた。

 ジップメックスは当時、次のようにも説明していた。

 「当社の最優先事項はユーザーであり、可能な限り透明性を保ちながら、プラットフォームのすべての機能を回復するために全力を尽くしている」

 ジップメックスはその後、タイの一部の商品のユーザーを対象に、出金停止を緩和している。例えば、ユーザーが取引のために暗号資産と法定通貨を保管することができる「トレード・ウォレット」の出金を再度有効化している。また、ジップメックス・タイランドのアカラープ・イムウィライCEO(最高経営責任者)は20日夜、28通貨の取引を再開したと発表している。しかし、追加の特典を得るために資金を入金する手段である「Zウォレット」は、利用できないままである。

ジップメックスの事業展開範囲

 ジップメックスはタイ、シンガポール、インドネシア、オーストラリアの4カ国で事業を展開。は暗号資産のスポット取引に加え、預金利息も提供している。

(イメージ写真提供:123RF)

https://www.coinspeaker.com/zipmex-buyout-talks/

This story originally appeared on Coinspeaker.

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