韓国、暗号資産キムチプレミアム利用した取引違反の疑いで16人逮捕

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 韓国当局は、キムチプレミアムを利用して取引を行い、約14億ドル相当の暗号資産(仮想通貨)取引に関与した16人を逮捕した。

 通信社Newsis、KBS、NoCut Newsによると、16人はいずれもソウル市の税関によって逮捕されており、2件はすでに送検されている。16人全員がトレーダーではなく、一部はブローカーや仲介者であるとみられている。逮捕された容疑者の多くは、警察から取り調べを受けており、送検されるかはまだ決定していない。また、すでに罰金が科されたものもいる。

 16人はいずれも「外国為替取引法」違反で逮捕された。報じられている通り、金融規制当局は韓国の大手商業銀行を過失の疑いで調査している。規制当局は、韓国の銀行を経由して行われた違法なキムチプレミアム取引の総額が65億ドルに上る可能性があると主張している。ただし、正確な額は規制当局による監査が終了した後に修正される見通しだ。

 キムチプレミアム取引とは、ビットコイン(BTC)などの通貨の国内需要の伸びにより、韓国での価格が世界平均を上回る状況を指す。

 そのため、多くのトレーダーは、通常中国や日本のOTC(店頭取引)販売業者からトークンを購入しようとしている。これらの通貨は韓国の取引所に移動され、法定通貨に交換されることで、驚くほどの利益を生み出している。変換された法定通貨は、金などの貴金属や半導体チップなど、外国からコモディティ(商品)を購入するために利用されているようだ。FSS(金融監督院)などの規制当局は、OTC販売業者への送金やコモディティの購入は、韓国の銀行を介して行われている可能性があると指摘している。

 規制当局は、銀行にキムチプレミアム取引が横行していると何度も警告を出しているという。一部の銀行は、海外送金規則を厳格化することで対応。しかし、規制当局は銀行がこの件に関する「度重なる」警告を聞き入れなかったと主張している。

 ほとんどの事案は、21年から22年上旬に発生したものとみられている。

 検察は、トレーダーは捜査の目をくらませるため、複数の国内のペーパーカンパニーを利用したと主張している。

 容疑者の1人は、21年4月から22年3月にかけて、「知人の名義」で韓国に「複数の幽霊会社」を設立した疑いがかけられている。この人物はその後、この幽霊会社を経由する資金は輸入化粧品の販売で調達したと主張し、取引の実態を隠蔽しようとしたとされている。税関は、この人物に820万ドルの罰金を科した。

 他の2人の容疑者は送検される予定だが、顧客ネットワークを組織することで、より大規模なOTC購入のために資金をプールし、その「顧客」によって「指定」された「国内の受取人」を介して利益を支払うと約束していたとされている。

 しかし、これらの逮捕は氷山の一角に過ぎないようだ。税関は、「同様の方法を利用した可能性がある」他の23の「ペーパー」カンパニーを調査しているという。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/16-arrested-in-south-korea-over-suspected-crypto-kimchi-premium-trading-violations.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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