ETHオプションの未決済建玉が高止まり、マージ前のボラティリティに警戒

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 イーサリアム(ETH)オプション契約のOI(未決済建玉)が7月から8月上旬にかけて大幅に増加したことを受け、トレーダーは短期的なボラティリティ増大を警戒すべきだとの警告が出ている。

 イーサリアムのPoW(プルーフ・オブ・ワーク)からPoS(プルーフ・オブ・ステーク)への移行であるマージの前後でオプション・トレーダーはポジションを解消するため、ボラティリティ(変動率)の増大が差し迫っている。

 記事執筆時点で、イーサリアム・オプション市場のOIは22年の最高値に近い71.7億ドルで、イーサリアム市場が非常に不安定だった21年の5月と12月に見られたOIの大きなピークと同水準となっている。

 予想される通り、今回も価格が不安定になる可能性が高く、マージは9月10-20日のどこかで行われると予想されるため、トレーダーへの警告は当然かもしれない。

 一方、イーサリアム先物市場でもボラティリティが感じられ、コイングラスのデータでは記事執筆時点で1日には24時間で1億3000万ドル近くが清算されている。大きな下落・上昇時に通常見られる清算と比べると大規模ではないが、より巨大なビットコイン(BTC)市場では約5000万ドルしか清算されておらず、イーサリアムの清算はそれよりも遥かに大きくなっている。

 清算とは、市場でレバレッジをかけたポジションが強制的に決済されることで、トレーダーがポジションを保つために必要な資金を出せない、または出さない場合に取引所によって行われる。

 イーサリアムはこの1カ月間不安定で、上下ともにビットコインよりも遥かに大きく動いている。

 暗号資産(仮想通貨)調査投資会社のデルファイ・デジタルのアナリストらによると、これは8月27日に-0.024%まで下がったイーサリアム先物市場の資金調達率と関係している可能性がある。これは21年6月以来の低水準で、当時の翌7月には「大規模なショートスクイーズ」が発生した、とデルファイ・デジタルの最近のレポートに記されている。

 先物市場の資金調達率は、先物契約の値付けを現物価格と一致した状態に保つために開発された仕組みだ。マイナスの資金調達率は、ショートしているトレーダーがロングしているトレーダーに支払を行うことを意味する。逆もまた同様だ。そのため、資金調達率が大きなマイナスになっていることは、より多くのトレーダーがショートしようとしていることを意味し、市場にとっては弱気のサインとなる。

 デルファイ・デジタルのレポートは、イーサリアム先物市場のOIが6月の市場「降伏」後も増加しており、8月13日には68億ドルのピークをつけていると付け加えた。8月全体でOIは50億ドル越えを維持しており、「資金調達率が8月14日にマイナスに反転したため大部分がショートである可能性が高い」という。

 UTC(協定世界時)13時40分時点で、イーサリアムは現物市場で1ETH=1564ドルで取引されている。1日間では1%超、1週間では約6%下落している。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/as-ethereum-options-open-interest-remains-high-brace-for-volatility-ahead-of-merge.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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