デリバティブ取引所のDeribit、既存投資家からの資金調達で評価額が4億ドルに
パナマに拠点を置く暗号資産(仮想通貨)デリバティブ取引所のDeribit(デリビット)が、4億ドルの評価額で既存株主から資金調達を行ったと、The Blockが「4人の情報筋」の話として報じた。
情報筋のうち2人は、デリビットがQCPキャピタル、アクナ・キャピタル、10Tホールディングスなどの既存株主から約4000万ドルを調達したと話している。
しかし、デリビットの商務責任者ルーク・ストリジャーズ氏によると、今回の資金調達は外部ではなく既存の投資家からのものであるため、4億ドルの評価額は「本質的に意味のない」ものであるという。
ストリジャーズ氏は、「評価額はどの数字でもよかった。むしろ既存株主からの配当の取り崩しである。これまでは高い配当を支払っていたので、株主に分配するよりも、バランスシートを強化し、資産を保持する方が賢明であると判断した」と説明している。
本当の評価額は同社が外部からの資金調達を行うまではわからないと同氏は述べている。
情報筋によると、デリビットは21年8月に実施した前回の資金調達で、21億ドルと評価された。同社はこの資金調達で1億ドルを調達していた。
●破綻した3AC、デリビットの株主だった
デリビットは6月、3AC(スリーアローズ・キャピタル)が20年2月から同社親会社の株主であったことを明らかにしている。「市場動向により、デリビットは潜在的に困窮していると考えられる、当社に対する純債務を有する少数の口座を保有している」と当時は説明していたが、仮に負債が一切返済されなかったとしても、デリビットは「財務的に健全」であると主張していた。
QCPキャピタルの創設者でデリビットの株主でもあるダリウス・シット氏は、3ACへの融資によりデリビットが流動性の問題に直面しているという噂について否定している。
しかし、情報筋の1人は、デリビットは企業資金を3AC事件前の水準に戻すために資金調達を行ったと話している。3ACがマージンコールに応じることができなかった後、そのポジションを清算することを余儀なくされたためだという。
3ACは巨額の損失を抱え、悪名高いテラ(LUNA)崩壊を中心とする一連の騒動の中でついに崩壊してしまった。
デリビットは6月、英領バージン諸島の裁判所で3ACに対する清算申請を決定。同社は、3ACが8013万ドルを返済しなかったと主張した。裁判所文書によると、3ACは20年3月にデリビットからビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)を借りていたが、暗号資産が暴落した22年6月11日、口座に最低残高を持つというデリビットの融資規定に違反したということだ。
債務は主に1300BTCと1万5000ETHから成り、消極資産は3710万ドルであったと、当時フィナンシャル・タイムズが報じていた。
7月には、デリビットが3ACに対する調査に協力していると報じられた。
今回の資金調達について語った情報筋によると、3ACの事件は弱気相場と相まって、「既存投資家にとって大きな割引」となったということだ。
8月のレポートによると、デリビットは世界最大のビットコイン・イーサリアムのオプション取引所で、世界の総取引量と建玉の90%以上を占めている。
(イメージ写真提供:123RF)
This story originally appeared on cryptonews.com.
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