EU委員、米国議員に対し新たな暗号資産規則の策定求める

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 欧州委員会のメイリード・マクギネス金融サービス担当委員は、デジタル資産が金融安定性にもたらし得る危険について警告し、米国議員に対し暗号資産(仮想通貨)業界を管理する新たな規則の策定を求めた。

 フィナンシャル・タイムズによると、同委員はワシントンDC訪問中に、共和党のパトリック・マクヘンリー下院議員や民主党のカーステン・ギリブランド上院議員といった、米国における暗号資産規制議論の中心的な政治家と会合した。

 マクギネス氏はフィナンシャル・タイムズに対し、この会合に「勇気づけられた」、米国の政治家はEU(欧州連合)の政治家と「同じ方向に動いている」ようだと語った。

 しかし同氏は次のように付け加えた。

 「暗号資産が規制されない場合(何が起こるか)について、欧州レベルでは多くの懸念がある。成長すれば、やがて金融安定性の問題となる可能性がある。確実性の欠如に関する投資家の問題もある」

 テラ(LUNA)エコシステムの崩壊、22年の市場暴落、そしてそれに続く一連の倒産以降、世界中の規制当局はすでに高まっていたこの業界への注目をより強めている。

 マクギネス氏は、この業界に対する規制は、それを機能させるにはグローバルなものでなければならないと主張した。同氏は、EUが先導する暗号資産規制に追随し始めた他の国々について言及し、次のように述べた。

 「恐らく異なる形ではあるが、同じ目的で、他のプレイヤーによる法整備も必要だ。暗号資産のグローバルな規制が必要だ」

 マクギネス氏と同様に、金融安定理事会は暗号資産規制活動のグローバルな枠組みを求めている。報道された通り、G20が設立したこの国際諮問機関は11日、暗号資産規制に関する勧告を出し、既存のステーブルコインの多くが法令を遵守していないと述べた。

 しかし、米国について、フィナンシャル・タイムズは「交渉に詳しい」人物の話として、ステーブルコイン規制を含む重要な問題について両者が合意に達するのはまだ数カ月先だと報じた。政治家と規制当局との間で業界規制に関する合意に至るための活動が強まっており、SEC(米証券取引委員会)などが暗号資産企業に対しより厳しい姿勢を取っているにも関わらず、数カ月先だという。

 米金融安定監視評議会を構成する金融規制当局らは10月初頭にレポートを出し、暗号資産関連の問題について合意に達するよう政治家に呼びかけた。同評議会は、「協調、ステーブルコインのリスクに関する法整備、暗号資産企業の全ての子会社・関連会社の活動について可視化または監督するための規制当局の権限に関する法整備、そして適切なサービス事業者規制を含む、規制のアービトラージへの対処」を求めるなどした。

 カナダの有名な実業家でテレビタレントのケビン・オレアリー氏(別名ミスター・ワンダフル)は、「ステーブルコイン透明化法」と呼ばれる規制の一部は、中間選挙が行われる11月8日以降に「きわめて迅速に」米議会を通過する可能性があると主張した。同氏によると、民主党も共和党も何らかの形での暗号資産規制を支持しており、規制は行われるという。

 一方、EUでは、10月には大きなイベントがあった。2年間の議論を経て、EUの画期的な暗号資産法であるMiCA(暗号資産市場規制)が欧州議会を通過した。この法律は、全ての暗号資産関連活動の規制を目指すものだ。

 また、最近報じられた通り、法案を出し決定を行うEUの行政機関である欧州委員会は、イーサリアム(ETH)ブロックチェーンのデータを通じてDeFi(分散型金融)活動を自動ソフトウェアで監視しようとしている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/eu-commissioner-urges-us-lawmakers-establish-new-crypto-rules.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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