ハッカー、DeFiプロトコルのMoola Marketから840万ドル盗む

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 サイバー犯罪がDeFi(分散型金融)領域の重要なテーマであり続けている中、最新の事例として、Moola Marketから840万ドル以上が不正流出した。驚くべきことに、これら資金の大部分は後に返還されたという。

 Moola Marketはプロトコルへの攻撃を受け、「まず、資金の大半が回復されたことをうれしく思う。すべてのユーザーにとって良いニュースであり、影響が限定的であることを意味する」とツイートしている。

 「本日の事件の後、資金の93.1%がMoolaのガバナンスマルチシグに返還された。Moolaプロトコルの運用を安全に再開するため、Moola上のすべての活動は引き続き一時停止され、次のステップについてはコミュニティに追って連絡する予定だ」

 ザ・ブロックのリサーチディレクターであるイゴール・イガンベルディエフ氏は、「非常にシンプルな攻撃」で、攻撃者は大手取引所バイナンスから「24万3000セロ(CELO)を得た」ことで、約840万ドル相当の暗号資産(仮想通貨)にアクセスできたと説明している。

 同氏によると、「攻撃者は6万CELOをMoolaに貸し出し、180万MOO(Moola Marketのネイティブトークン)を借りて担保として使用した」後、「残りのCELOでMOOの価値を上昇させ、それを担保にして他のトークンを引き出した」ということだ。

 ブロックチェーン分析企業チェイナリシスが8月に公開したレポートによると、ハッキングや資産の盗難など、一部の種類の暗号資産詐欺が22年に増加している。同社は、その多くがDeFiプロトコルから盗まれた資金が急増していることに起因しているとみている。この増加傾向は21年に始まったという。

 「22年7月までに、サービスのハッキングで19億ドル相当の暗号資産が盗まれたのに対し、21年の同じ時期ではわずか12億ドル以下であった」とチェイナリシスは指摘している。

 相次ぐ大規模な攻撃を受け、米FBI(連邦捜査局)は8月、サイバー犯罪のリスクについて投資家と取引所に警告するための措置を講じると発表。また、DeFiの市場参加者が犯罪者に資産を奪われるのを防ぐため、一連の予防策も推奨しているとした。

 FBIは声明の中で「サイバー犯罪者がDeFiプラットフォームを支えるスマートコントラクトの脆弱性を悪用して暗号資産を盗み、投資家に損失を与えるケースが増えている。サイバー犯罪者は、投資家の暗号資産への関心の高まりと、クロスチェーン機能の複雑さやオープンソースの性質を利用しようとしている」と主張した。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/hacker-steals-84-million-from-moola-market-defi-protocol.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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