国連当局者、テロリストが暗号資産取引を通じて活動資金調達と指摘

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 国際連合当局者らが、テロ組織が活動資金調達のために暗号資産(仮想通貨)を利用することが増えていると述べた。

 10月28日と29日にインドで開催された国連CTC(テロ対策委員会)の会合で、「新たな新興」技術を利用したテロ活動の資金調達を含む、「新たな決済技術及び資金調達手法に関する脅威と機会」について当局者らが議論した。

 発言者の1人である国連テロ資金供与対策調整官のスヴェトラーナ・マルティノワ氏は、テロ組織による資金調達の「一般的手法」は未だに現金やハワラだと述べた。ハワラとは、資金を物理的には動かさない伝統的送金システムで、取次人に対して支払を行い、その取次人が特定の国や地域にいる仲間に対し最終的な受取人への支払を指示するものだ。

 同氏は次のように付け加えた。

 「しかし、新たな決済手法と組み合わせた利用も増加している」

 テロリストは、オンラインの取引所やウォレットに加え、匿名通貨、仮想資産、モバイル決済システムを悪用していることが知られている、と同氏は述べた。

 マルティノワ氏は次のように付け加えた。

 「ブロックチェーン、暗号資産、クラウドファンディングは、金融捜査当局が追跡するには複雑な資金の流れを生じさせることがある」

 テロリストはその手法として、ソーシャルメディアを使って寄付を募ることが多く、オンライン商品販売を行ったりクラウドファンディング・プラットフォームを利用したりしている。

 新たな商品やサービスの一部は匿名の国際送金を可能にしており、サービス提供業者の数や種類が増加し、世界の規制・執行活動にギャップが生じ続けることでリスクが高まっている、とマルティノワ氏は述べた。

 新たな金融商品・技術の悪用の規模や種類は、地域や経済状況、テロリストが設定する標的に大きく依存する。

 同時に、これらの新技術はAML/CFT(マネーロンダリング・テロ資金供与対策)をより迅速で効果的にし得ると同氏は論じた。そのためには、情報を共有し技術をより深く理解する「強固な」官民連携が不可欠だ。

 それゆえ、マルティノワ氏は次のように結論付けた。

 「新たな金融商品と技術の進化は、大きな経済的機会をもたらすが、悪用されるリスクもある」

 EAG(マネーローンダリング及びテロ資金供与対策ユーラシア・グループ)のセルゲイ・テテルコフ事務局長も、スピーチの中で同様の意見を共有した。

 テテルコフ氏は、個人や集団がダークネットでの商品購入に仮想資産を用いていると述べた。しかし同氏は、公共部門、規制当局、そして新技術を作る民間企業との間の対話が解決策になるかもしれないとも指摘した。

 国連加盟国は、金融包摂を強化しAML/CFTの効果的な実施に寄与するための新技術活用や、新たな金融商品に関する潜在的リスクの「評価や対処」を行う必要がある、とマルティノワ氏は付け加えた。

 一方、アントニオ・グテーレス国連事務総長は、これらの新技術には「あらゆる場所で人間の状況を改善する比類ない可能性がある」がどうしようもなく悪用される可能性もあると主張した。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/un-says-terrorists-are-funding-activities-through-crypto-transactions.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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