中国政府、デジタル人民元はプライバシーと犯罪対策の間を歩む

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 中国の中央銀行のデジタル通貨であるデジタル人民元が、新境地を次々と切り開いている。既に国内560万店舗以上で使われているが、その設計者は同コインにプライバシー保護機能が組み込まれる予定だと述べた。

 中国メディアの国際商報によると、中央銀行の数字では8月末時点でデジタル人民元が関与した取引3億6000万件が完了している。同コインは現在、国内15の大都市で試験されている。

 同コインの総取引量は21年8月から約14%増加した。PBoC(中国人民銀行)は、「試験プログラムの範囲を拡大する」つもりだとしている。同行はまた、実世界の環境で同コインを試験できるさらなる方法を検討したいと考えている。

 また、同行は「国際的協力」という選択肢も検討したいと考えている。PBoCはこれまで、デジタル人民元は主に国内プロジェクトであり、国際取引のツールではないと示唆していた。しかし同行は、いずれは同コイン向けの国際決済ソリューションを開発する可能性を認めていた。

 中国財経は、最近香港で開催されたフィンテックのイベントで、PBoCの易鋼総裁がこの点を再び強調したと伝えた。同氏は、デジタル人民元の「目的は主にM0」ソリューション、すなわち紙幣と硬貨のデジタル代替物だと語った。

 同氏は、デジタル人民元研究は「主に国内小口決済のニーズを満たし、金融包摂の水準を向上させ、中央銀行の通貨発行や決済システムの効率性を改善するため」に行われていると語った。

 しかし、世界の批評家らは、大衆の消費を管理し国民の行動を監視する手段として同コインが使われるだろうと指摘している。中国人以外の個人による利用をやめさせようとする人々もいる。

●デジタル人民元:プライバシーの懸念?

 易鋼氏は、同コインにはプライバシー機能が組み込まれ、トランザクション・データは暗号化されていると語っているが、「匿名性と透明性」の問題は「白黒つく」ものではないと認めた。

 同氏は、「多くの繊細な問題」を慎重に考慮する必要があると説明し、「個人のプライバシー保護」と「不法行為との戦い」との間で「正確なバランス」を取る必要があると述べた。

 同総裁は、PBoCは現在CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)関連で、香港の金融規制当局である香港金融管理局や「その他の金融当局」と協力していると付け加えた。

 同総裁は、PBoCはCBDC関連事項について海外の中央銀行や「国際機関」との「協力を強化したいと考えている」と結んだ。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/beijing-digital-cny-will-tread-line-between-ensuring-privacy-fighting-crime.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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