FTXの崩壊で暗号資産が急落―これまでに分かっていること

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 大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTXが競合のバイナンスによって買収されるという思いがけない発表を受け、ほぼすべての主要暗号資産が急落した。

 世界最大の暗号資産ビットコイン(BTC)は過去24時間で8%以上下落し、1BTC=1万8000ドル前後で取引されている。2番目に大きい暗号資産であるイーサリアム(ETH)も、16%以上急落して1ETH=1200ドルとなった。ポリゴン(MATIC)はトップ10銘柄の中で最も打撃を受け、過去24時間で約20%下落している。

 ビットフィネックスの市場アナリストのデイビット・プルショシュタリ氏はクリプトニュースの取材に対し、暗号資産分野における最近の動向は、すでに不安定な動きを見せていたビットコインに対するセンチメントをさらに悪化させるかもしれないとの見解を示した。

 同氏は、「22年は目立った失敗が相次いでいるため、投資家が落ち着くまで乱高下が続く可能性が高い。利上げが迫り、世界経済が悪化していることが、弱気心理に拍車をかけている」とコメントした。

●救済の王FTXはどのようにして崩壊したか

 FTXは、最近の暗号資産低迷の中、暗号資産の救済王としての評判を得ていた。一部の財政難にあるデジタル通貨取引所を救済するため、数百万ドルの信用供与枠を惜しみなく提供していた。

 しかし、ひょんなことからFTXは破綻寸前となり、不良資産を競合他社に売却せざるを得なくなった。「FTX.comの戦略的取引でバイナンスと合意に達した」とFTXのサム・バンクマン-フリードCEO(最高経営責任者)はツイッターで発表した。

 バイナンスのチャンポン・ジャオCEOはさらなる詳細を述べている。「FTXはわれわれの支援を求めてきた。流動性が著しく低下している。ユーザーを保護するため、われわれは拘束力のないLOI(基本合意書)に署名し、FTX.comを完全買収する意向だ」と同氏は述べた。しかし、どのようにしてこの事態に至ったのか。

 11月2日、コインデスクはアラメダ・リサーチのバランスシートを入手したと報じた。それによると、同社はFTXのネイティブトークンであるFTXトークン(FTT)を保有していたということだ。

 その後、バイナンスのチャンポン・ジャオCEOは、2300万FTT(当時約5億2900万ドル相当)を保有していたバイナンスが、保有するFTXトークンをすべて清算すると決定したと発表した。

 このニュースを受け、FTXトークンへの売り圧力が高まり、バイナンスがFTXを買収することが明らかになった後、同トークンはその日の高値1FTT=22ドルから3ドルまで急落した。

 暗号資産に精通するジョナサン・ウー氏は、「アラメダの粗悪なバランスシートがFTXのものと混合するという恐怖が流動性危機を招き、最終的にジャオCEOによるFTX買収につながった」とし、「FTXに数十億ドルの穴があるようだ」と述べている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/crypto-prices-crash-as-ftx-crypto-exchange-collapses-what-we-know-so-far.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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