取引所ジェミニ、暗号資産貸付企業ジェネシスから9億ドルの回収目指す

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 暗号資産(仮想通貨)取引所のジェミニは、暗号資産ブローカーのジェネシスとその親会社DCG(デジタル・カレンシー・グループ)に融資した9億ドルを回収しようとしている。

 フィナンシャル・タイムズの報道によると、ウィンクルボス兄弟率いるジェミニは、ジェネシスが11月の暗号資産取引所FTX崩壊で危機的状況に陥ったことを受け、資金の回収に動いている。

 DCGの創設者であるバリー・シルバート氏は11月、株主に向けた書簡の中で、ジェネシスの融資部門ジェネシス・グローバルキャピタルに対し5億7500万ドルの負債を抱えていることを明らかにした。23年5月が返済期限であるというこの融資は、「投資機会の資金」と、非従業員株主からの株式買い戻しのために利用されたとのことだ。

 この融資は、DCGが3AC(スリー・アローズ・キャピタル)の債務不履行によってジェネシスに生じた債務を肩代わりした後に行われたと報じられている。7月、ジェネシス・グローバル・トレーディングのマイケル・モロCEO(最高経営責任者)は、破たんした3ACは多額のマージンコールに対応できなかった大口取引先であると明かしていた。

 その後、ジェネシスは一連のツイートで、DCGと協力し、リスクの切り離しを維持するよう努めていると伝えた。「DCGは、われわれが長期的に事業を運営し規模を拡大するための資金を確保できるよう、この取引先に関連する一部の負債を引き受けた」とモロ氏は当時述べていた。

 ジェミニは現在、ジェネシスとその親会社DCGから資金を回収するため、債権者委員を設置している。

●ジェネシスは経営難にあるのか?

 FTX崩壊の余波で、ジェネシス・グローバル・トレーディングは、償還と新たなローン組成を一時的に停止すると発表。ジェネシスはツイッターで、「異常な出金リクエスト」が「現在の流動性」を上回ったと説明した。

 同社は、投資銀行モーリス・アンド・カンパニーを雇い、破産の可能性を含む選択肢を模索していると、ニューヨーク・タイムズは11月に報じている。

 さらに、DCGの子会社グレイスケールは、「セキュリティ上の懸念」を理由に、準備金証明の開示を拒否している。この動きは、同社の財務の健全性についての憶測を呼んだ。

 DCGの問題を指摘するあらゆる証拠があるにもかかわらず、シルバート氏は11月の書簡で投資家を安心させようとし、同社のほとんどの事業体は「通常通り運営している」と主張した。同氏によると、創業以来、一次資本で調達したわずか2500万ドルで、22年は8億ドルの収益を上げる勢いであるという。

 「DCGは、業界をリードするビルダーであり続け、より良い金融システムの発展を加速させるという長期的な使命に取り組んでいく。われわれはこれまでの暗号資産の冬を乗り切っており、今回の冬はより厳しいと感じるかもしれないが、一丸となりより強くなって乗り越える」と同氏は当時述べていた。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/gemini-exchange-seeks-retrieve-900-million-from-crypto-lender-genesis.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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