暗号資産ビリオネアのウィンクルボス兄弟、詐欺と証券法違反で投資家に訴えられる
暗号資産（仮想通貨）ビリオネアで暗号資産取引所ジェミニの創設者であるタイラーとキャメロン・ウィンクルボス兄弟が、利回り獲得プログラム「ジェミニ・アーン」を巡り投資家から訴えられている。
暗号資産投資家らは２７日、マンハッタン連邦裁判所に集団訴訟の訴状を提出。「ジェミニ・アーン」口座を証券として登録しなかったとして、ウィンクルボス兄弟とその取引所を詐欺と取引法違反で訴えた。
「ジェミニ・トラスト・アーン」プログラムは、高い利子付き口座を提供しており、投資家はジェミニに暗号資産を貸し出すことで８％の利回りを得ることができた。
しかし、デジタル・カレンシー・グループの子会社で、ジェミニの重要なパートナーでもあるジェネシス・グローバルが、サム・バンクマンフリード氏のＦＴＸ破たんによって引き起こされた暗号資産暴落に巻き込まれた後、ジェミニは１１月中旬に償還を停止。
投資家は訴状の中で、ジェミニは「新たな償還を拒否し、同プログラムに資金を保有していた投資家を事実上すべて排除した」と指摘。ジェミニが商品を登録していれば、そのリスクをより良く評価できるような情報開示を受けていたはずだと主張した。訴状にはこうある。
「ジェミニは、ＧＩＡ（ジェミニ・インタレスト・アカウント）が利回りを集める安全な方法であるということを含め、虚偽かつ誤解を招く発言を繰り返しながら、ＧＩＡを販売した。また、ジェミニ・アーンを利用する投資家の暗号資産をすべて預けた、プログラムに関連するいわゆるパートナー兼借り手の『ジェネシス・グローバル・キャピタル』に関する情報など、『ジェミニ・アーン』に関連するリスクについての重要な情報を省略・隠ぺいした」
ジェミニの数百万ドルの資金はジェネシスにロックされており、同社が引き出しを停止して以降、ジェミニ・アーンは利用できなくなっている。ジェミニは２３日、ジェネシスでの流動性問題を解決するため、「緊急に」対応しているとする声明を出している。
報じられている通り、ジェネシスは１１月中旬、顧客への償還を停止する前に１０億ドルの緊急融資を依頼。「バランスシートにおける特定の非流動性資産により流動性がひっ迫している」ことを認め、「主にリテールプログラムやパートナー、流動性を試す投資家顧客による預金の取り付け騒ぎ」が起こっていることを明らかにした。
ＦＴＸの破たんは、急速かつ広範囲に被害をもたらし、業界内の多くの企業に影響が及んだ。さらに、この事件により暗号資産価格が歴史的な低水準に下落し、テラのアルゴリズムステーブルコインのテラＵＳＤ（ＵＳＴ）の崩壊に始まった暗号資産暴落に拍車をかけた。
現在、ビットコイン（ＢＴＣ）は１ＢＴＣ＝１万６５９７ドルで取引されており、２１年１１月に記録した過去最高値の６万９０４４ドルから７６％下落している。こうした混乱の中で、２２年は暗号資産全体も大きく下げている。
（イメージ写真提供：１２３ＲＦ）
This story originally appeared on cryptonews.com.
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