インドの暗号資産業界が22年の新税制の下で停滞

india_97418423_s.jpg

 インドの暗号資産(仮想通貨)業界が、議論を呼んだ22年の税法の下で「停滞している」という。

 デリーに拠点を置く技術政策シンクタンクEseya Centreの新たな報告書によると、インド政府が暗号資産による所得に30%の税金を課すと発表した22年2月以降、インドの暗号資産投資家は38億5200万ドル(3万2000カロール)以上のデジタル資産を国内暗号資産取引所から海外の取引所に移動させたという。

 同シンクタンクは、「このうち、累積出来高30億5500万ドルが、今会計年度の6カ月以内に海外に移された」と指摘し、「推定170万人のユーザー」が国内の暗号資産取引所から海外の取引所に移ったとした。

 報じられている通り、インド政府は21年初頭に暗号資産税計画を明らかにし、暗号資産取引による利益を30%の税率で課税すると発表。また、すべての暗号資産取引の償還に1%のTDS(源泉所得税)を適用するとした。

 多くの業界のベテランが、この新法は暗号資産に関する銀行や他の金融機関の曖昧さを取り除き、暗号資産業界に金融サービスを提供することを可能にすると評するなど、このニュースは当初楽観的に受け止められていた。

 しかし、Eseya Centreは、VDA(仮想デジタル資産)業界は「現行の税制の下で停滞している」と指摘。現行の構造では、すべてのインド暗号資産ユーザーが海外に移ることになると主張した。

 専門家らは、活発的なトレーダーは税金を削減するため、取引を大幅に減らすことを余儀なくされており、1%の課税がインドの暗号資産流動性に損害を与えていると指摘。報告書によると、議論を呼んだ1%のTDS規定が設定されて以降、国内の取引所では4カ月で取引量が81%減少したという。報告書には次のようにある。

 「税収に相応の悪影響を与え、取引の追跡可能性を低下させることが予想されるが、これは現行の政策構成の2つの中心的な目的を崩すものである。現行の税体系では、今後4年間で約1兆2000億ドルの国内取引量が失われる可能性がある」

 Eseya Centreは、TDSを取引当たり1%から0.1%に変更し、証券取引税と同程度にするべきだと提案している。また、一律30%の税率ではなく、利益に対する累進課税を採用するよう推奨した。

 チェイナリシスの「2022世界暗号資産導入指標」によると、インドは暗号資産の導入率で4位に入り、21年7月から22年6月における暗号資産取引量は1720億ドルとなっている。また同国では、Web3エコシステムが成長する中、投資家の関心も高まっている。

 インドは、この新興資産には基礎となる価値がないと主張し、暗号資産に対して厳しいスタンスを長く維持してきた。12月には、RBI(インド準備銀行)のシャクティカンタ・ダス総裁が、暗号資産を全面的に禁止するよう国に要請している。 

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/indias-crypto-space-been-crippled-under-crypto-tax-laws-report.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

最新記事
ランキングページ
ビットコイン詳細ページ
イーサ詳細ページ
XRP詳細ページ