FTXの重役らは顧客資産使用に懸念示していた―裁判文書で明らかに

ftx_173240365_s.jpg

 サム・バンクマンフリード氏は数十億ドルの顧客資産をFTXから吸い上げ、その資金を政治献金、アラメダでの金融取引、そしてFTXが拠点を置くバハマの高級不動産の購入に使っていたと当局は主張している。懸念の声を上げていた2名のマネージャーの名前は挙がっていないが、FTXのコードに携わっていた上級ソフトウェア開発者だとされている。

 それでも、公開された起訴状の中に、 バンクマンフリード氏と共にFTXの設立を助け、同取引所のコーディングに携わったゲイリー・ワン氏とニシャド・シン氏の名前は挙がっている。もう1人の名前の出ていない人物は、アラメダの幹部とされており、アラメダのキャロライン・エリソンCEO(最高経営責任者)のことである可能性がある。

 ゲイリー・ワン氏とキャロライン・エリソン氏は詐欺の罪を認めているが、シン氏は起訴されていない。

 またこの文書によると、CC-1と呼ばれるFTXのソフトウェア開発者の1人が、20年に同取引所に数億ドルのマイナスの残高があることを知ったという。CC-1氏は、アラメダがFTXドットコムの顧客資産を不正利用していると推測し、この問題をバンクマンフリード氏に知らせた。

 バンクマンフリード氏は、資産はFTXが開発した暗号資産(仮想通貨)のFTXトークン(FTT)に裏付けられているため問題ないとした。また、FTXは当時監査も受けており、同幹部はこの損失が見つかるのではないかと疑問を呈していた。バンクマンフリード氏は再度この懸念を払いのけ、監査はそんなことを調べないと語った。

 同社は22年9月までに50億ドルを失い、バンクマンフリード氏は会社の閉鎖を検討していた。同幹部はこの時期に別の幹部に対し、アラメダに約130億ドルが貸し出されており、戻っていないと語った。この2人目の幹部は大いに驚き、この件についてバンクマンフリード氏に考えを聞いた。

 この文書によると、バンクマンフリード氏は大きな懸念を抱いていたが、株式の高騰と暗号資産価格の上昇によってこの問題が解決する可能性があると語った。これらはいずれも実現せず、22年11月初頭までに顧客は高い割合で資金を引き出していた。それでも、CC-1氏は顧客の出金に対応するのに十分な資産があると計算していた。この時点で、バンクマンフリード氏は同氏に対し、アラメダへの80億ドルの負債を持つ別のまだ知られていなかった口座について知らせたという。

 この裁判所文書では、米当局がバハマ当局に対し、バンクマンフリード氏には逃亡の恐れがあり、逮捕しなければ貴重な証拠を破棄しようとするだろうと警告していたことも明らかになった。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/ftx-bosses-voiced-their-concerns-about-client-fund-use-court-papers-show.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

最新記事
ランキングページ
ビットコイン詳細ページ
イーサ詳細ページ
XRP詳細ページ