バイナンスが米ドルでの入出金を一時停止、暗号資産業界に衝撃

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 バイナンスは2月8日から海外顧客の米ドルでの入出金を一時的に停止すると発表した。

 世界最大暗号資産(仮想通貨)交換所は8日から「米ドルの銀行送金すべてを一時的に停止する」と7日のツイートで話した。他の送金手段は影響を受けないと同交換所は付け加え、ユーザーの「ごく一部」にしか影響はないと言及した。

 同交換所はさらなる詳細は提供しなかったが、「サービスを早急に再開できるように取り組んでいる」と話した。

 別のツイートで、財務省のFinCEN(金融犯罪取締ネットワーク)に規制されている同社のバイナンスUSは停止による影響はないと話した。したがって、この動向は銀行口座へ、または銀行口座からドルで送金する米国以外の顧客にのみ適用される。

 バイナンスが米国で銀行の課題に直面しているときにこの動向があった。1月、同交換所の提携銀行シグネチャー銀行がドル送金の最低取引額を引き上げ、銀行口座に10万ドル以上を保有しているユーザーによる取引のみ処理すると発表した。

 当時、バイナンスはSWIFT(国際銀行間金融通信協会)決済を処理する新しい提携銀行を「積極的に探している」と話した。「平均月間ユーザーの0.01%しかシグネチャー銀行のサービスを受けていない」と同交換所は影響を受けるユーザーに送ったメールで話した。

 ニューヨークに本社を置くシグネチャー銀行は12月に約100億ドルの預金を削減することにより、暗号資産界で運営している顧客へのリスクを減らすつもりだと話した。

 シグネチャー銀行とシルバーゲートは最大暗号資産銀行2行である。しかし、暗号資産市場の約2兆ドルに相当する価値を一掃した22年の暗号資産の暴落で同2行は厳しい打撃を受けた。

 暗号資産交換所FTXの破たんに続き、2行は本来、住宅金融と地域社会投資を支援するために考案されたシステムである連邦住宅金融銀行から数十億ドルの融資を受けた。

 シグネチャー銀行は22年第4四半期に地元の住宅融資銀行から100億ドル近くの融資を受け、シルバーゲートは少なくとも36億ドルの融資を受けた。シグネチャー銀行の融資は過去数年間の最高額の2倍以上で、シルバーゲートにとって22年は住宅融資銀行の融資を受ける最初の年となった。

 報じられたように、FTXの破たんに続き、シルバーゲートは銀行取り付け騒動に遭った。融資を受ける以外に、同暗号資産銀行はユーザー出金の約81億ドルを負担するためにバランスシートに保有していた52億ドルの債権を著しい損失で売却しなければならなかった。結果、7億1800万ドルの損失を被り、報道によれば、同行の13年以降の利益を上回った。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/binance-shocks-crypto-world-with-temporary-halt-us-bank-transfers-heres-whats-going.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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