市場はコインベースの22年第4四半期の収益が75%減と予想

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 取引量の減少と、暗号資産(仮想通貨)の記録的安値への下落によって、コインベースが22年第4四半期の収益急減を報告すると予想されている。

 コインベースは、21日の取引時間終了後に22年第4四半期の結果を報告する予定だ。ウォール街のアナリストらは、同取引所の収益が前年同期比で75%超減少し、5億8860万ドルになると予想している。

 さらに、コインベースは同四半期に5億6810万ドルの損失を計上すると見込まれている。これに対し、同取引所は21年第4四半期には8億4000万ドル、20年第4四半期には1億7700万ドルの純利益を報告していた。

 同プラットフォームは、サブスクリプションとサービスで全収益の約40%を占める2億3540万ドルを得ると予想されている。21年第4四半期におけるこれらの事業からの収益は会社全体の収益の10%未満だった。

 同様に、コインベースの総資産は888億ドルと、過去2年超で最低額になると予想されている。この減少は、暗号資産価格の下落や、一時は世界第3位の規模の取引所だったFTXの前例のない破綻を受けた中央集権型暗号資産取引所に対する利用者の信頼低下によるところが大きい。

 投資銀行のD.A.デビッドソン及びJPモルガンのアナリストらは、コインベースの株式を買いから中立に格下げし、規制圧力は「始まったばかりだ」と論じた。

 23年には、世界有数の信用格付提供会社であるS&Pグローバルが同取引所の債券を「BBB」から「BB-」に格下げし、「投資適格」から「非投資適格」に移している。

 D.A.デビッドソンのアナリストであるクリス・ブレンドラー氏は、コインベースは規制体制の明確化の恩恵を受ける可能性があるが、短期的には厳しい状況に置かれると主張した。同氏は16日に次のように述べた。

 「(規制上の)明確さの改善と公平な競争の場が、最終的には有効だと証明されるはずだという(コインベースの)経営陣の見解には同意するが、コインベースもこの分野全体も短期的には危険性が増しているようだ」

 23年には、暗号資産が反騰する中、コインベースの株価も上昇した。同社の株式は年初来82.55%上昇している。しかし、過去1年間では、株価は約3分の1に下落している。

●規制上の締め付けがコインベースの収入基盤にどう影響し得るか

 ブルームバーグの報道によると、コインベースが成長の起爆剤として頼りにしてきた3つの主要事業は、コインのカストディ、ステーブルコイン、ステーキングだった。しかし最近になって、これらの分野は全て規制上の監視下に置かれている。

 SEC(米証券取引委員会)は9日、米国内での顧客へのステーキング・サービス及びプログラムの提供停止と、同委員会が証券と認定した「暗号資産ステーキング・アズ・ア・サービス・プログラムの提供及び販売の登録」を怠ったという告発に対する和解金3000万ドルの支払いについて、暗号資産取引所クラーケンと合意した。

 この動きを受け、コインベースのブライアン・アームストロングCEO(最高経営責任者)は、同取引所の暗号資産ステーキング・サービスは証券ではないと述べ、法廷で弁護する用意があるとした。同取引所がステーキング手数料から全収入の約3%を得ていることを考えると、これは驚きではないはずだ。

 コインベースはまた、ステーブルコインのUSDコイン(USDC)からも収入を得ている。しかし、SECはバイナンスのステーブルコインであるバイナンスUSD(BUSD)を発行する暗号資産会社パクソスを取り締まっており、コインベースのUSDコインも苦境に陥る可能性がある。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/analysts-expect-coinbase-revenue-drop-75-for-last-quarter.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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