シンガポール警察、逃亡中のド・クォン氏とテラフォームラボの捜査を開始
シンガポール当局は、今や崩壊したステーブルコイン・テラUSD(UTS)を開発したド・クォン氏の組織である、テラフォームラボに対する捜査を開始した。
ブルームバーグの6日の報道によると、シンガポール警察は電子メールで声明を送り、「テラフォームラボに関連する捜査を開始した」と発表した。捜査は「進行中」であり、クォン氏は現在シンガポールにはいないということだ。
米SEC(証券取引委員会)が、テラ創設者のド・クォン氏と同氏の組織テラフォームラボを証券法詐欺で訴えてから、1カ月も経たないうちに今回の発表が行われた形となった。
SECは当時、「(SECは)本日、シンガポールに拠点を置くテラフォームラボとド・クォン氏を、アルゴリズム型ステーブルコインおよびその他暗号資産(仮想通貨)証券を含む、数十億ドルの暗号資産証券詐欺を指揮したとして提訴した」と述べていた。
また、SECはクォン氏とテラフォームラボが1万ビットコイン(BTC)以上をプロジェクトから移し、スイスの銀行を通じて現金化していたと主張した。
クォン氏は、テラUSDステーブルコインを開発したシンガポールを拠点とする企業、テラフォームラボの共同創設者兼CEO(最高経営責任者)である。このいわゆるアルゴリズム型ステーブルコインは、姉妹トークンLUNAを伴うアルゴリズムとトレーダーのインセンティブを組み合わせ、1ドルの価値を一定に保つよう設計されている。
しかし、暗号資産市場で下落が続いたことで、テラUSDは22年5月にドルとのペッグを失った。テラフォームラボは、20億ドルのテラUSDを購入することで部分的にペッグを回復したが、継続的な下落によりこれら資金は流出。姉妹トークンのテラ(LUNA)はハイパーインフレ状態になり、テラとテラUSDの両通貨が暴落した。
●ド・クォン氏はどこにいるのか?
テラエコシステムが壊滅的に崩壊した後、投資家がクォン氏を告訴したため、韓国当局はプロジェクトの調査を開始した。韓国は22年9月までにド・クォン氏の逮捕状を発行している。
韓国検察は12月、ド・クォン氏がセルビアに「潜伏している」と主張し、欧州の警察当局に同氏の引き渡しを要請した。検察によると、同氏は暴落が起きた頃、韓国からシンガポールに向かった後、ドバイを経由してセルビアに渡ったという。
クォン氏は、資本市場法違反と詐欺の容疑で指名手配されているが、本人はそれを否定しており、「政治的な動機」であると主張している。しかし、これまでのところ、同氏はセルビアに居住しているとの指摘を肯定も否定もしていない。
一部の専門家らは以前、セルビアが韓国と犯罪人引渡し条約を締結していないことから、クォン氏がセルビアに潜伏している可能性が高いと指摘していた。この条約がなければ、韓国検察は厄介な状況に陥る恐れがあるということだ。
23年初め、韓国の当局者らがクォン氏の居場所を突き止めるためにセルビアを訪れた。韓国の検察当局はこの報道を確認しており、法務省の高官も同行したことを明らかにしている。
最近暗号資産企業の破産が相次いでいるが、その多くがテラUSDの崩壊に起因している。同プロジェクトの崩壊に続き、FTXやスリー・アローズ・キャピタルなどの数々の有名暗号資産企業が破産を申請している。
(イメージ写真提供:123RF)
This story originally appeared on cryptonews.com.
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