FTX関連会社のアラメダ・リサーチがグレイスケールを提訴
アラメダ・リサーチが失われた資産を取り戻そうとする試みとして、グレイスケール・インベストメントを提訴した。グレイスケールが「法外な管理手数料」を課し、償還を妨害したと主張している。
グレイスケールは暗号資産(仮想通貨)市場の大企業であり、GBTC(ビットコイン・トラスト)やETHE(イーサ・トラスト)といった人気の店頭取引ファンドを運営している。
この訴訟では、被告としてグレイスケールのマイケル・ソネンシェインCEO(最高経営責任者)の名前が挙がっている。
いずれのファンドも、2%の年間管理手数料(ブルームバーグのデータによると米国のETF業界標準は0.54%)を課している。
適格投資家は、ビットコイン(BTC)かイーサリアム(ETH)を預け入れることで、この信託の持分を受け取ることができる。
アラメダは、GBTC及びETHEの持分2億9000万ドル相当を所有しており、これは22年末時点の各信託の3%と2%に相当すると述べた。
同社は、グレイスケールが償還に同意すれば、持分の価値は5億4000万ドルに増加すると主張している。
●GBTCの償還は引き続き膠着
しかしGBTCの管理規則で、投資家は投資から6カ月間は持分を売却できない。
グレイスケールの信託は長い間、ビットコイン及びイーサリアムに対して大幅に割安な価格で取引されており、機関投資家は多額の資金をロックアップしている。
GBTCは現在、純資産価値に対して42.11%安い価格で取引されている。
同社はこれまで、GBTC及びETHEの現物ETFへの転換を模索し続け、割引期間中の償還を見合わせてきた。
これは、償還することでビットコインの値動きやグレイスケールの運営の先行きに大きな影響が出る可能性を恐れているためだ。
しかし、22年のETF転換の試みは却下され、グレイスケール自体が現在SEC(米証券取引委員会)への訴訟を進めている。
●グレイスケール、ETFへの追求で法廷へ
グレイスケールはアラメダの訴訟に反論し、「見当違い」だと述べた。この発言は、グレイスケールのSECに対する訴訟の口頭弁論に先立ってなされたものだ。
マイケル・ソネンシェインCEOは、グレイスケールの判断と提訴を擁護する声明を出した。
「グレイスケールは、GBTCのETF転換に対する規制当局の承認を得るための活動について、透明性を保ってきた」
「(ETFは)グレイスケールの投資家にとって間違いなく最善の長期的な商品構造だ」
「D.C.控訴裁判所で明日論じられる、常識的で説得力のある法的主張に自信を持っている」
●アラメダ・リサーチがGBTC訴訟に加わる
グレイスケールが訴訟の対象となったのはこれが初めてではない。これは恐らく訴訟好きな「適格」顧客を反映したものだろう。
1月には、オスプレイ・ファンドがグレイスケールの提訴を発表した。この訴訟では、グレイスケールがGBTCの「誤解を招く虚偽の宣伝」を行ったとされた。
これに先立つ22年末には、オスプレイのライバル企業であるファー・ツリー・キャピタル・マネジメントが、ETFを追い求めるグレイスケールの「持分所有者に敵対的な活動」によって、GBTCの一般投資家が損害を受けたと訴えた。
アラメダ・リサーチのグレイスケールに対する訴訟の結果がどうなるのかは、まだ分からない。
(イメージ写真提供:123RF)
This story originally appeared on cryptonews.com.
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