バイナンス、PoRレポートを新たに11トークンに拡大

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 バイナンスが、PoR(プルーフ・オブ・リザーブ)レポートの規模を広げ、11トークンを追加した。これにより、同取引所のPoRシステムで検証可能な総資金額は630億ドルを超えた。

 世界最大の暗号資産(仮想通貨)取引所である同社は、新たなブログ記事で、自社のPoRシステムにマスクネットワーク(MASK)、エンジンコイン(ENJ)、ワジールX(WRX)、グラフ(GRT)、クロミア(CHR)、カーブダオ(CRV)、ワンインチ(1INCH)、パワープール(CVP)、ハッシュフロー(HFT)、SSVネットワーク(SSV)、ドージコイン(DOGE)を追加したことを明らかにした。ユーザーは現在、同取引所の24種類の暗号資産の資金額をこのレポートで検証できる。

 同取引所は発表の中で、「PoRシステムに11資産を追加することで、取引量で世界最大の暗号資産取引所であるバイナンスは、現在630億ドル超の準備金を表示している」と述べた。

 かつては世界第3位の暗号資産取引所だったFTXの前例のない破綻によって、暗号資産業界では中央集権型業者の信頼性に対する多くの懸念が生じた。この疑念に対処するため、暗号資産企業の幹部らはPoRを公開し始めた。

 バイナンスはPoRレポートを公開した最初のプラットフォームだ。同プラットフォームは当初、保有するトークン数のリストを公開したが、これは「完全なデータではなく」今後の全面的な監査レポートでさらに詳しい情報を公開する予定だとしていた。

 その後、22年12月に、バイナンスはマザーが監査したPoRレポートを公開した。このレポートでは、バイナンスのビットコイン(BTC)準備金の担保比率が101%だとされた。しかし、一部の暗号資産専門家らはすぐにこの監査の穴を発見した。

 より具体的に言うと、クラーケンの共同創業者であるジェシー・パウエル氏は、この数字は実質的にバイナンスのビットコインの担保比率が97%だと言っていると指摘した。この暴露によって、同プラットフォームに問題があるとの噂でユーザーが離れ、出金が殺到した。

 この疑念に対処するため、バイナンスは23年、PoR検証にzk-SNARKを組み込み、センシティブなユーザーデータのプライバシーを保護しつつ、自社の有する資産が1対1で裏付けられていることを確認した。

 同社は当時、「バイナンスは、ユーザー資産の透明性を提供する努力を継続する中、センシティブな情報の機密性と安全性を保つゼロ知識証明手法であるzk-SNARKをPoR検証システムに導入した」と語っていた。

 バイナンス以外の暗号資産プラットフォームでは、クラーケン、クリプト・ドットコム、ビットメックス、コインフロア、ゲートアイオー、HBTC、そして直近ではインドのワジールXなどがPoR監査を完了している。

 注目すべきことに、一部の業界の重鎮らは、PoRだけでは十分ではないと主張している。PoRはプラットフォームの全てのバランスシートと債務を明らかにするものではなく、ユーザーが企業の財務的健全性を完全に検証することは困難であるというのがその理由だ。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/binance-expands-proof-of-reserves-report-with-11-new-tokens-here-are-the-coins-that-were-added.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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