FTX、仮想通貨取引所再開を検討

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●約9700億円の資産を保有

破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの弁護士は12日、米デラウェア州破産裁判所で開催された公聴会で証言を行った。現在、FTXが約9700億円(73億ドル)の資産を保有していること、取引所の再開を検討していることを報告している。

FTXの弁護士Andy Dietderich氏によると、最近の仮想通貨価格上昇を受けて、FTXが取り戻した資産は約8200億円(62億ドル)相当と評価される。現金と流動性のある仮想通貨を合わせて、総資産は73億ドル以上あり、1月以降で約1100億円(8億ドル)以上増加したと説明した。

また、将来的に仮想通貨取引所を再開するという選択肢について関係者と交渉しており、今四半期(4~6月)中にそれに関する決定を行う可能性があるとしている。

ただ、再開にあたって、FTXに凍結されているFTXの顧客資産がどのように扱われるのかについては詳細を説明していない。

FTXは、取引所の再開可能性について、無担保債権者の公式委員会と話し合っているところだ。

Dietderich氏は、取引所の再開に必要な資金は、第三者からの投資により調達するか、あるいはFTXがこれまでに回収した73億ドル相当の現金、仮想通貨などの資産の一部を使うことも考えられると述べた。

FTXの資金は、FTXが債権者への払い戻しについて裁判所から最終的な承認を得るまで動かすことはできない。Dietderich氏は、2023年中に裁判所の承認がおりる可能性は低いとしている。

Dietderich氏によると、現在のところFTXグループ全体で、日本のFTXの顧客のみが資金を引き出すことができる状態だ。日本における仮想通貨規制が堅牢なためであるという。

FTXの日本法人「FTX Japan 株式会社」は、2月21日から法定通貨(日本円)の出金と仮想通貨の出庫サービスが再開しているところだ。

FTXによると、スイスの裁判所は11日、欧州事業であるFTX Europeが米国破産裁判所の承認した入札手続きに従って事業売却する可能性などを検討することを認めている。

●弁護団の中間レポート

FTXの弁護団は、9日に中間レポートを発表している。改めて、同取引所の経営体制の杜撰さを浮き彫りにするものだった。

レポートによると、FTXグループは、適切な財務、会計、人事、情報セキュリティ、サイバーセキュリティの担当者やリーダーを持たず、内部監査もまったく機能していなかった。取締役会も事実上、監督されていなかった。

さらに、事実上すべての仮想通貨をホットウォレットで保管していたが、ある社員は、外部から質問された際には「ホットウォレットに10%、コールドウォレットに90%」と回答するよう指示されていたと証言したという。

また、マルチシグを使用せず多くの従業員がアクセスできるなど、秘密鍵の管理も不適切であったという。

(イメージ写真提供:123RF)

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CoinPostに掲載された記事を、許可を得て転載しています。

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