FTX取引所の再建計画、米VCのトライブキャピタルが出資の可能性

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 破たんした暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの再建計画に米ベンチャーキャピタルのトライブキャピタルが関心を寄せているようだ。同社は新たな取引所のために2億5000万ドルの資金調達を主導することを検討している。

 ブルームバーグの18日の報道によると、トライブキャピタルはFTXを復活させるために新たな資本注入を検討している。

 同社は、自社とその限定パートナーからの約1億ドルを軸として、2億5000万ドルの資金調達ラウンドを主導することを目指している。

 トライブキャピタル共同創設者のアルジュン・セティ氏は、すでにFTXの無担保債権委員会と会い、この非公開の提案について話し合ったという。

 この提案には、約900万件の顧客口座、FTX US、FTXオーストラリア、FTXジャパン、FTX EU、FTXインターナショナル、およびレジャーXが含まれている。

 しかし、「ベンチャーキャピタルのポートフォリオと暗号資産などは除外されている」という。

 今回の提案によって再建された取引所は、引き続きFTXの名称を使用することになる。

 注目すべきは、失脚したFTX創設者サム・バンクマンフリード氏など旧経営陣に関する言及がないということ。

 FTXの債権者委員会は18日、「委員会は、債務者と協力して、債権者に価値を生み出すために、FTX取引所を再建または売却する上であらゆる選択肢を検討していく」とツイート。加えて、現時点では債券または売却の具体的なスケジュールはないと述べている。
 
 トライブキャピタルは、カリフォルニア州サンフランシスコを拠点に置くプライベートベンチャーキャピタルで、シードステージとアーリーステージのテクノロジー会社に投資する。

 同社は以前、FTXとその米国部門FTX USにも投資していた。

 16億ドル以上の運用資産を持つトライブキャピタルは、暗号資産取引所クラーケンやエストニアのモビリティ企業ボルト、海運・物流サービスプロバイダーのシップロケットなど、幅広い暗号資産・テクノロジースタートアップをポートフォリオに抱えている。

●FTX、70億ドルの資産回収で再始動が視野に

 同社の弁護士であるアンディ・ディートデリヒ氏によると、FTXは現金と流動的な暗号資産で73億ドル以上を取り戻している。この数字は前回の報告から8億ドル増加している。

 ディートデリヒ氏は12日、米デラウェア州破産裁判所で開催された公聴会で「状況は安定し、壊滅的な状況からは抜け出した」と主張。続けて、FTXは破たんした暗号資産取引所を再建する計画を進めていると述べた。

 ディートデリヒ氏は、破たんから脱却するために暫定的なチャプター11計画にも取り組んでいることを明らかにした。

 FTXはその計画を7月までに提出したいと考えているが、債権者が同社の資産の取り分をめぐり対立しているため、まずは詳細を詰める必要があるとしている。

 FTXは、24年第2四半期までに再建計画が承認されることはないと見込んでいる。

 FTX現責任者であるジョン・J ・レイ氏は23年初め、同社を復活させるアイデアに前向きであると語っていた。同氏は当時、次のように述べている。

「すべてが検討中である。もし進むべき道があるなら、われわれはそれを模索するだけではなく、実行するつもりだ」

 一方、このニュースを受け、FTXのネイティブトークンFTXトークン(FTT)はプラスの反応を示した。

 記事執筆時、FTXトークンは前日比12.1%高の1FTT=2.09ドルで取引されている。しかし、21年9月に記録した過去最高値の84ドルからは97%以上下落している。

(イメージ写真提供:123RF)

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This story originally appeared on cryptonews.com.

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