コインベースCEO、暗号資産規制が明確にならなければ米国離脱を検討

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 コインベースのブライアン・アームストロングCEO(最高経営責任者)が、規制当局がデジタル資産分野に対するアプローチを明確化しないならば米国を離れるかもしれないと示唆した。

 同氏は、18日のイノベート・ファイナンス・グローバル・サミットにおいて、ジョージ・オズボーン元英財務相が発した、コインベースが米国を離れる可能性があるかという質問に対し、「移転や必要なあらゆることを検討している」と述べた。ザ・テレグラフが伝えた。

 この発言は、米国が暗号資産(仮想通貨)業界を規制監督下に置く活動を強化している中でのものだ。

 同国の規制当局、特にSEC(米証券取引委員会)とCFTC(米商品先物取引委員会)は、暗号資産業界に対する積極的な取り締まりを開始している。

 SECはつい最近、コインベースに「ウェルズ通知」を送り、一部の取扱いデジタル資産、ステーキング・サービスのコインベース・アーン、コインベース・プライム、コインベース・ウォレットに関する法的措置を警告した。

 同様に、CFTCは最近、法律に違反して故意に米国で未登録の暗号資産デリバティブ商品を提供したとして、バイナンスとその創業者のチャンポン・ジャオ氏を提訴したと発表した。

 アームストロング氏は、「米国は暗号資産にとって重要な市場になる可能性があると考えているが、現時点では私たちが必要としている規制の明確さが見受けられない」と述べ、次のように付け加えた。

 「もし米国で規制が明確化しないならば、数年後には世界の他の場所への投資の増額を検討する必要があるかもしれないと考えている」

 最近の規制圧力によって、少なくとも1社の暗号資産取引所が米国を離れざるを得なくなった。

 報道された通り、ビットトレックスは、規制圧力の増加と正確な規制要件の欠如を理由に、米国事業を閉鎖すると発表した。ビットトレックスの共同創業者であるリッチー・レイ氏は当時、声明の中で次のように述べた。

 「規制要件が不透明で適切な議論やデータなしに行われることが多く、不公平な競争環境になっている。米国での事業はもはや実行不可能だ」

●アームストロング氏、コインベース再上場できたなら米国より英国を選択

 アームストロング氏は、もし会社を再上場する選択肢があれば、ニューヨークよりもロンドン証券取引所を検討しただろうと述べた。

 同氏は、英国の規制当局はFCA(金融行動監視機構)のみで、同機構が商品も証券も担当しているため、同国には規制上の優位性があると主張した。

 一方、米国にはCFTCとSECという2つの別個の組織が存在する。アームストロング氏は、この2つの規制当局の間で「縄張り争い」が生じており、矛盾した声明が出ていると述べた。

 「CFTCとSECが縄張り争いをしているような不幸なことはあってはならない」と同氏は述べた。

 「CFTCとSECのトップがほぼ数週間おきに矛盾した声明を出している。このような環境でどうやって事業ができるのか?私たちは明確なルールブックを望んでいるだけだ」

 報道された通り、規制圧力が高まり暗号資産企業に対する銀行環境が悪化する中、コインベースは米国外でのデジタル資産取引所の設立を検討している。

 アームストロング氏は3月、SECによる敵対的な規制アプローチは、暗号資産業界を米国から立ち去らせる可能性があると警告した。

 同氏は、シンガポール、香港、ロンドン、そして最近ではEU(欧州連合)など、ほぼ全ての主要な金融ハブが包括的な暗号資産法を導入していると述べ、後れを取りたくなければ米国も続くべきだとした。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/coinbase-ceo-considers-us-exit-amid-regulatory-uncertainty-heres-latest.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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