米暗号資産取引所ビットトレックスが破産を申請、4月にはSECが提訴

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 ビットトレックスUSが、デラウエア州の連邦裁判所に破産を申請した。SEC(米証券取引委員会)は1カ月足らず前、未登録証券を運営しているとして同社を提訴していた。

 公式発表によると、暗号資産(仮想通貨)取引所ビットトレックス・グローバルの米国部門が連邦破産法第11条の適用を申請した。

 ビットトレックスは、破産申請が米国外の顧客にサービスを提供するビットレックス・グローバルに影響を与えることはないと説明している。米国外の顧客に対しては「通常通り」業務を継続するとした。

 23年4月、ビットトレックスは不明瞭な規制環境を理由に米国事業を閉鎖すると発表し、顧客に資金を引き出すよう呼びかけていた。

 ビットトレックスの共同創設者であるリッチー・ライ氏は当時、「現在の米国の規制・経済環境で事業を継続することは経済的に不可能である」とコメントしていた。

 その直後、SECはビットトレックスとその共同創設者兼元CEO(最高経営責任者)ウィリアム・シハラ氏、およびその海外関連会社ビットレックス・グローバルを、未登録の国内証券取引所、仲介業者、清算期間を運営したとして提訴した。

 SECは、ビットトレックスが少なくとも14年から暗号資産の売買を促進し、取引手数料から最低13億ドルの収益を得たと主張。

 具体的には、SECはビットトレックスがオーエムジー(OMG)、ダッシュ(DASH)、アルゴランド(ALGO)、モノリス(TKN)、ナーガ(NGC)、リアルエステートプロトコル(IHT)を上場したことが未登録証券の提供にあたると指摘した。

 ビットトレックスは当時、声明でこの疑惑に異議を唱えた。

 ビットトレックスから4月末までに暗号資産を引き出さなかった顧客は今、破産裁判所がそれらの資金を請求できる方法を決定するまで待つ必要がある。

 「4月末までに資金を引き出さなかった顧客についてだが、資金は安全に保管されている。当社の主な優先事項は顧客を完全な形で保証するということだ」

●バイナンスUS、次なる法的調査の標的か?

 一部の市場参加者は、暗号資産取引所バイナンスの米国部門であるバイナンスUSが米国で法的措置に直面するかもしれないと懸念している。

 その1人として暗号資産専門家のアダム・コクラン氏は、バイナンスUS上の暗号資産価格が世界の取引所とかい離しているのは、バイナンスのマーケットメーカーが離脱しつつあるということを示唆していると指摘した。

 「私の予感では、バイナンスはCFTC(米商品先物取引委員会)との和解で米国市場から追い出され、私が言ったようにバイナンスUSD(BUSD)からビットコイン(BTC)、そしてテザー(USDT)へのローテーションを続け、企業間を超えて資金を再分配するために市場を押し上げている」と同氏は最近ツイートした。

 例えば、現在バイナンスUSに上場されているビットコイン・米ドルペアは、コインベースの同ペアやバイナンスのビットコイン・テザーペアに対して650ドル近いプレミアムで取引されている。

 ツイッターのアナリストfewseethisはバイナンスUSでのプレミアムについて、規制措置を予想してマーケットメーカーが同社から離れていることに起因している可能性が高いと指摘している。

 「バイナンスUSに対して政府から何らかのアクションがあり、通常そこでビジネスをしているマーケットメーカーがそれを知っているならば、彼らが去った可能性があり、十分な流動性がなく裁定取引の機会が減少している」

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/american-crypto-exchange-bittrex-declares-bankruptcy-amid-sec-scrutiny-is-binance-us-next.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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