ジェネシスとジェミニ、SECによるアーンプログラム訴訟の棄却を申請
暗号資産(仮想通貨)取引所のジェミニと、破たんした暗号資産融資企業のジェネシス・グローバル・キャピタルは、共同事業商品「ジェミニ・アーン」に関連するSEC(証券取引委員会)の訴訟の棄却を申請した。
訴訟は、両社が顧客に利回り商品を提供したとことに関するもので、SECはこれらの商品は関連当局への登録なしに販売された証券であると主張している。
ジェミニとジェネシスは、裁判所文書で「ジェミニ・アーン」は証券ではないと反論している。
両社は、この取引は事実上、融資に相当すると主張。SECの不正利得の返還と永久的な差し止め命令を却下するよう裁判所に求めた。
●ジェミニ、SECの提訴は浅はかだと主張
ジェミニはジェミニ・アーンのユーザーに向けた投稿で、SECの訴訟は「浅はか」でると批判し、アーンプログラムの顧客対応に責任を負っているのはジェネシスではなくジェミニであると明確に述べた。
1月のSECの提訴に伴うジェネシスの破たん申請により、22年11月中旬、アーンの引き出しに制限がかけられた。
ジェミニはこれを受け、アーンユーザー約23万2000人の約11億ドルの資産について、ジェネシスによる回収を求める要請書を提出。
ジェミニとジェネシスの親会社であるDCG(デジタル・カレンシー・グループ)は、再建と和解を図るため、調停者を通じて交渉している。
さらに、ジェミニと他の債権者は、アーンユーザーにとっての最良の結果を求め、「修正再建計画」に取り組んでいる。
これは、2月の予備的合意がまだ成立していないにもかかわらずだ。
ジェミニ代理人を務める、JFBリーガルの創設パートナーであるジャック・ボウマン氏は、SECの提訴はアーンユーザーへの補償を難しくし、破たんしたジェネシスからの資産回収をより困難にしたと批判した。
●融資契約は証券ではない
ジェミニのアーンプログラムユーザーは、ジェネシス・グローバル・キャピタルとの提携のおかげで、暗号資産預金に対し利息を得ることができた。
ジェミニは、融資契約が流通市場で提供されていないことを強調している。これは、この融資契約が証券ではないという主張を裏付けるものだ。
注目すべきは、これらすべてがSECの暗号資産業界に対する取り締まりから始まり、市場に影響を与え続けている一連の出来事を引き起こしたということだ。
ジェネシスとジェミニに対する強制措置では、バイナンスに就職しようとしていたと報じられているゲイリー・ゲンスラーSEC委員長が、証券法順守の必要性と、投資家保護の重要性を強調している。
しかし、ジェネシス・グローバル・キャピタルが破たんしたことで、ジェネシス親会社が6億3000万ドルの支払いに失敗するなど、アーンユーザーへの補償プロセスがさらに複雑になっている。
ジェミニとジェネシスは、SECの主張に異議を唱えるという宣言通り、この訴訟の棄却を申請した。
ジェミニの共同創設者のタイラー・ウィンクルボス氏は、この訴訟を「捏造された駐車違反切符」と表現し、同社の自身を守る能力を信じていると述べた。
裁判所の判決は、棄却申し立てに関する法的手続きとアーンユーザーにとっての今後に大きく影響することになるだろう。
(イメージ写真提供:123RF)
This story originally appeared on cryptonews.com.
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