中国、電力・ネットワーク不要のCBDC決済を地下鉄で試験的に導入

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 中国の青島市は、新たな国内初のCBDC(中央銀行デジタル通貨)実証実験として、電力やネットワークを必要としない公共交通機関デジタル人民元決済ソリューションを試験的に導入する予定だ。

 このニュースと同時に、試験地域に指定されている別の都市が、約14万ドルのCBDC割引トークンを配布することも発表された。

 セキュリティ・タイムズ・ネットワークによると、青島市当局は、青島地下鉄4号線の張村駅と科苑経七路駅の2カ所で試験運用を実施すると発表した。

 同プロジェクトは、中国人民銀行(中央銀行)デジタル通貨研究所と人民銀青島支店が、青島市交通局と共同で始動したものである。

 青島地下鉄グループもこのプロジェクトを共同で主催している。

 試験運用には、国営の中国銀行のほか、中国電信、中国連合通信、そしてデジタル金融公共サービスという企業が共同で資金を提供する予定だ。

 試験運用では、顧客は携帯電話の電源が切れていたり、ネットワークに接続されていない場合でも、携帯端末を使ってデジタル人民元決済を行うことができる。

 この実験には、NFC(近距離無線通信)技術が使用されている。

 NFCは、最近のスマートフォンのほとんどに搭載されている機能である。

 人民銀は23年、デジタル人民元アプリユーザーが携帯電話を「ハード」ウォレットとして使用できる機能を発表したが、これもNFC技術を使用している。

 しかし、このソリューションはまだ地下鉄のネットワーク向けには適応されていなかった。

 しかし、6月20日に地下鉄の駅がこのソリューションの試験運用を開始すれば、この状況は変わることになる。

 電源が切られた端末をこの方法で使用するには、ユーザーは中国連合通信あるいは中国電信のSIMカード情報を、人民銀または中国銀行のソフトウェアベースのデジタル人民元ウォレットに追加しなければならない。

 駅の改札にあるカードリーダーに電源の入ったスマートフォンをかざすと、自動的にウォレット残高から引き落とされる。

●中国、公共交通機関でのCBDC決済を歓迎-デジタル人民元の次の動きは?

 一方、中国の寧波市は、約14万ドル相当のトークンを「幸運の赤い」デジタル封筒に入れて配布すると発表した。

 同市によると、2万枚の封筒にそれぞれ最大11ドル相当のトークンを入れて配布するとのこと。

 しかし、このトークンは、受け取った人が市内の店舗で14-28ドル相当のデジタル人民元を使った場合にのみ、割引という形で引き換えることができる。

 YYニュースによると、このキャンペーンは6月21日から同月24日まで実施される。

 寧波市によるこの動きは、22年末に約275万ドル相当のCBDCとクーポンの配布を行った福州市の取り組みに続くものだ。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/china-pilots-power-and-network-free-cbdc-metro-payments.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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