英法律委員会、暗号資産担保に対する特別な法的枠組み求める

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 イングランドおよびウェールズ法律委員会が、融資の裏付けとして暗号資産(仮想通貨)を使用する担保契約に対処するための、デジタル資産の取り扱いに特化した国家的な法的枠組みを勧告した。

 司法省が資金を提供している同委員会は、こうした担保契約は、市場の流動性を向上させ「十分に活用されていない」資産の価値を投資家が「引き出す」ことを可能にするなど、「様々な利益」をもたらすと指摘した。しかし、こうした担保を提供する借り手にはリスクが存在し、貸し手が破産した場合に資産の全額を請求する権利を失う可能性がある。

 同委員会は28日に公開した304ページのレポートの中で、「担保取得者が破産手続きに入った場合、担保設定者はその資産の所有権ではなく、余剰利益を構成する金額に対する無担保請求権のみを有することになる」と記した。

 暗号資産担保ローンは、既に価値の大部分をデジタル資産に保存しているホドラーが大規模な資金を得るために利用している。例えば、より多くのビットコイン(BTC)を購入するために保有するビットコインを担保にして借り入れるなど、レバレッジの形で利用されることが多い。

 しかしこれにはいくつかの大きなリスクがある。貸し手が担保として所持している暗号資産が融資額に対して一定額まで下落した場合、利益を保つために貸し手は借り手の資産を全て清算し、管理することになる。

 さらに、22年にセルシウスやブロックファイが破産前に行ったように、貸し手である会社が担保を再担保してすべてを失った場合、借り手は保護されない可能性がある。

 英司法省が資金を提供している同委員会は、既存の英国法はデジタル資産に十分対応しているとする一方で、市場が成長し発展し続ける中でまだ「法的な不確実性が残っている」と述べた。

●全ての暗号資産に対する規制上の明確性

 同委員会は担保の問題に加えて、英国企業の株式や社債のトークン化を管理する法律を見直し、これを法的に可能にするブロックチェーンやその他の方法の数を増やして明確化するよう議員らに勧告した。

 また、同委員会は、暗号資産担保の法制度がオンチェーンとオフチェーンを区別する方法や、金融市場全体と関わる方法を検討するよう議員らに勧告した。

 英国のリシ・スナク首相は、自国をデジタル資産の中心地にすることに関心を示しており、これは同委員会の目標と一致している。

 コインベースのブライアン・アームストロングCEO(最高経営責任者)は以前、規制上の明確さを提供し、米国のような暗号資産の分類に関する法的問題が多くないとして、英国を称賛している。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/uk-law-commission-calls-for-special-legal-framework-for-crypto-as-collateral.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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