シンガポール、新たな信託要件で暗号資産投資の保護を計画

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 シンガポールが、市場に信頼性を与え投資家を損失から保護するために、暗号資産(仮想通貨)取引所に信託要件を課す計画を発表した。

 ブルームバーグの報道によると、MAS(シンガポール金融管理局)は3日、顧客資産を信託に保管することを暗号資産取引所に義務付ける予定だと語った。

 この新たな規制は、23年内に導入される見込みだ。

 シンガポールはさらに、一般投資家のレンディングとステーキングの禁止案を前進させる予定だ。

 MASは、FTXが破綻する直前の22年10月に、これらの措置に関する協議を開始した。この協議の目的は、デジタル資産に対するシンガポールの規制体制を強化することにあった。

 消費者保護において規制は重要だが、デジタル決済トークンの取引はリスクが高く投機的なのでトレーダーは注意しなければならない、とMASは強調した。

 「デジタル決済トークンの取引は極めてリスクが高く投機的なので、規制だけでは消費者を全ての損失から保護することはできない」とMASは語り、消費者は引き続き取引の際に「最大限の注意」を払わなければならないとした。

 金融において、信託とは、委託者または設定者と呼ばれる一方当事者が、受託者と呼ばれるもう一方の当事者に資産の所有権を移す法的手続きを意味する。

 受託者はその後、第三者である受益者のために資産を管理する。信託は、遺産計画や資産保護目的で使われることが多い。

 信託の設定にはいくつかの利点がある。まず、債権者や法的請求から資産を保護するために、信託は有効なツールだ。

 信託に資産の所有権を移すことで、それらは個人の資産の一部とは見なされなくなり、訴訟、破産、その他の法的手続きの影響を受けにくくなる。

 また、信託は、資産の管理・分配方法についてのコントロールと柔軟性を高める。

 設定者は、経時的にあるいは特定の目的で受益者に資産を分配するといった、受託者が従うべき特別の条件や指示を定めることができる。こうしたコントロールは、設定者の希望に従って資産が使われることを保証し、不適切な資産管理から受益者を保護する。

●香港、暗号資産企業を引きつける取り組みを強化

 シンガポールが規制体制の強化を進める一方で、香港などの他の法域は暗号資産分野へのさらなる参加を呼び込む方法を模索している。

 香港政府はつい最近、ウェブ3の成長促進に専念し、特に倫理的開発に重点を置く、ウェブ3開発タスクフォースの設立を発表した。

 この動きは、香港が暗号資産企業にとって魅力的な目的地として自らを積極的に宣伝する中で生じたものだ。

 香港政府は6月、デジタル資産取引を100万ドル超の担保可能資産を持つプロの投資家やトレーダーだけに制限するのではなく、一般投資家が暗号資産を取引できるようにする新たな暗号資産規制体制を導入した。

 SFC(香港証券先物委員会)は、暗号資産取引へのライセンス発行も開始する予定だ。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/singapore-plans-safeguard-cryptocurrency-investments-with-new-trust-requirement.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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