P2P暗号資産プラットフォーム、市場縮小の圧力に晒される

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 分散型のP2P(ピア・ツー・ピア)暗号資産(仮想通貨)取引所は、市場シェアが急激に減少する中、強い圧力に晒されている。

 P2P暗号資産プラットフォームの市場シェアは、23年の3月に記録した最高値の7%から5%に減少した。カイコのデータを引用し、ブルームバーグが伝えた。

 分散型取引所の月間現物取引量は、22年1月から23年6月までに76%減少し、210億ドルとなった。この減少率は、4290億ドルへと69%減少した中央集権型取引所よりも大きい。

 一部の暗号資産業界関係者は以前、トークンを管理する中央集権型プラットフォームの信頼性を損ねたFTXの破綻を受けて、ユニスワップやdXdXといったP2Pプラットフォームの黄金期を予想していた。

●分散型取引所、中央集権型プラットフォームとの競争に苦戦

 多くの人々が、中央集権型プラットフォームの腐敗に対する答えとして、分散型取引所を挙げている。しかし、ユーザー・インターフェースの複雑さ、速度の遅さ、流動性の低さで、バイナンス・ホールディングスやコインベース・グローバルなどの競合相手に劣ることが多い。

 デジタル・アセット・キャピタル・マネジメントの共同創業者であるリチャード・ガルビン氏はブルームバーグに対し、P2P取引所はデザインの改善が進み、設立から3年未満と比較的若いが、多くの機関投資家にとっては取引が困難か不可能なままだと語った。

 最近では、P2P取引所を改善する活動が表面化している。主要な分散型取引所であるユニスワップは最近、デジタル資産流動性の様々なソースを統合することで、顧客の価格を改善することを目指したプロトコルを導入した。

 一方、ブロックチェーン企業のバーテックは23年、伝統的な中央集権型プラットフォームに匹敵する取引速度を誇る分散型取引所を設立し、話題となった。

●分散型取引所で月間アクティブ・ユーザーが増加

 トークン・ターミナルのデータによると、分散型取引所は取引量という点では課題に直面しているが、月間アクティブ・ユーザーは20年から増加し続けている。

 月間アクティブ・ユーザー数は、23年の大部分で100万人を超えている。

 特にこの業界の規制強化につながった22年の大規模な不正の告発によるFTXの破綻を踏まえると、この急激な普及の原因は、中央集権型プラットフォームの安定性に関する懸念の拡大にあるかもしれない。

 暗号資産取引所大手のバイナンスとコインベースも、米国での生き残りをかけて戦う中、世界中の規制当局からの規制上の精査に直面している。

 6月には、機関投資家専用の暗号資産取引所であるEDXマーケッツが立ち上げられ、シタデル・セキュリティーズ、フィデリティ・デジタル・アセッツ、チャールズ・シュワブなどの有名企業から支援を受けた。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/peer-peer-crypto-platforms-under-pressure-in-declining-market.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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