プーチン大統領、デジタルルーブル決済を可能とする法案に署名

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●消費者参加の実証実験を開始へ

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は24日、デジタルルーブルについての法案に署名した。これを受けてロシアは、8月より実消費者を対象とした中央銀行デジタル通貨(CBDC)の試験運用を開始することを目指している。

法律は、国家決済システムに関する法律に従って、ロシアのCBDCであるデジタルルーブルで支払いを行うことを可能とするものだ。

デジタルルーブルは、遺贈することが可能で、相続人が受け取ることもできる。法律は、8月1日に発効することになる。

地元メディアによると、国民がデジタルルーブルで送金や支払いを行う場合は無料だ。企業がデジタルルーブルでの支払いを受け入れる場合にはロシア中銀が支払い額の0.3%を徴収する。

ロシア銀行のエルビラ・ナビウリナ総裁は、デジタルルーブルの使用は強制されるものではないとして、次のように述べた。

"デジタルルーブルを強制することはない。これを使用することは完全に自発的な選択にゆだねられ、人々にとってはこれまでの決済手段に追加オプションとして与えられるものだ。"

ナビウリナ氏は、デジタルルーブルは人々や企業にとって利便性が高いものになることが期待され、「新たなチャンス」をもたらすものになるとも話している。

今回成立した法によると、ロシア中銀がデジタルルーブルのインフラについて主要な運営者となる。また、デジタルルーブルは、支払いおよび送金手段となるが、投資目的では提供されない。

なお、ロシアでデジタルルーブルが広く普及するのはまだ先になる見込みだ。ロシア中銀のオルガ・スコロボガトワ副総裁は、「2025年から2027年の間には、すべての国民がウォレットを開設し、デジタルルーブルを受け取って使用することができるようになると思う」と話している。

このプロセスは段階的に行われ、CBDCプラットフォームと民間銀行システムの接続の進捗状況にも依存すると続けた。

ロシアは2022年より、商業銀行と協力してデジタルルーブルの試験プログラムを開始している。同年2月には、銀行のモバイルアプリを利用した顧客間のデジタルルーブル取引に成功した。

ユーザーが、モバイルアプリでデジタルルーブルのプラットフォーム上にウォレットを開設し、口座の資金をデジタルルーブルに変換したり、他のユーザーに送金を行ったりできる仕組みだ。

仮想通貨の状況
ビットコインなど民間の暗号資産(仮想通貨)については、ロシアはまだ法的な整備を確立しておらず、国内での仮想通貨決済も禁じられているところだ。

しかし同時に、特にウクライナ侵攻後の経済制裁も背景として、国際取引での使用は認められている。

6月には、ロシアの大手銀行ロスバンクが、仮想通貨を利用したクロスボーダー決済システムの運用を開始した。

(イメージ写真提供:123RF)

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CoinPostに掲載された記事を、許可を得て転載しています。

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