豪ベンディゴ銀行、「高リスク」の暗号資産決済を制限

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 オーストラリアの金融機関ベンディゴ銀行は、暗号資産(仮想通貨)取引所への「高リスク」な即時支払いを対象とした新たな規則を発表した。

 ベンディゴ銀行は31日、顧客を詐欺や金融犯罪から保護するための動きとして、暗号資産取引をブロックしたとメール声明で発表した。しかし、この措置によって影響を受ける取引や取引所については明らかにされていない。

 新規則は23年初めに実施された既存取引規制の強化に追加されるものであると、声明では説明している。

 スキャムウォッチのデータによると、23年は投資詐欺が上位を占め、オーストラリア国民は2億ドル近くの被害を受けている。その結果、同行は暗号資産投資詐欺に関する警告を発表。こうした詐欺は「ビットコイン(BTC)のような暗号資産を購入するための商品と見せかけて販売されている」と指摘した。

 投資詐欺は、多額の資金が絡むため、サイバー犯罪の中でも特に注目される。資金の追跡と回復が困難なため、詐欺師はこうした詐欺を実行する際は暗号資産を使用する傾向にある。

 ベンディゴ銀行の詐欺部門責任者であるジェイソン・ゴードン氏は、投資詐欺は「非常に巧妙で説得力があり、大きな金銭的被害をもたらし得る」と述べた。

 「22年に報告された投資詐欺の半数近くが、金銭的被害という結果につながっている。そのため、詐欺を阻止するために全力を尽くさなければならない」

 銀行がリスクの高い暗号資産取引をどのように識別しているのか、新規則は合法的な取引に影響を与えるのかという質問に対し、ゴードン氏は、「リスクベースのアプローチ」は一部の真正取引に摩擦を加えることになるだろうと答えた。「しかし、悪質な行為者から顧客を守るための対策を講じることは、私たちの責任だ」とした。

 ベンディゴ銀行はすでに、多要素認証、銀行からのSMSメッセージに添付されるリンクの削除、専門セキュリティチームによる疑わしい取引活動の常時監視、異常な口座活動の検知などの対策を実施している。

 さらに同行は、暗号資産や金融犯罪に対抗するため、顧客に協力を呼びかけている。

 「私たちは口座を保護するために重要な措置を講じているが、顧客の協力があれば詐欺や不正行為の発声をさらに減らすことができる」とゴードン氏は述べた。

●豪全域で暗号資産支払いを規制

 今回の発表は、最近特定の暗号資産取引を停止したオーストラリアの4大銀行、コモンウェルス銀行、NAB(ナショナルオーストラリア銀行)、ウエストパック銀行の動きに続くものである。

 ウエストパック銀行は、暗号資産関連の詐欺活動に対処するため、詐欺防止策を試験的に導入した。この対策は、バイナンスがPayIDを使用したオーストラリアドルの銀行送金を禁止したのと同じ日に発表された。

 NABは7月、詐欺が「多発している」暗号資産取引所への支払いを停止。さらに、「銀行全体の詐欺戦略」の一環として、支払いプロンプトなどの対策を導入した。

 NABの広報担当者は当時、バイナンスがオーストラリアで規制上の課題に直面していた中で、この停止措置をバイナンスにも適用する可能性をほのめかしていた。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/australian-lender-bendigo-bank-blocks-high-risk-crypto-payments.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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