顧客がデジタルルーブルをすでに使用=露銀のMTSなどが報告

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 ロシアの銀行であるMTSとPSBはデジタルルーブルのテストを開始したが、すでに「実業家」などが「サービス」の支払いにCBDC(中央銀行デジタル通貨)を利用しているという。

 ロシア中央銀行はここ数週間でCBDCプロジェクトを急速に進めており、25年-27年の全国展開を視野に入れている。

 先週から実証実験の最終段階が始まっており、MTSやPSB、他にもVTB銀行などの銀行は、顧客や従業員がCBDCを使って「実世界での」取引を実施したと報告している。

 Content-Reviewによると、MTSの決済技術責任者であるイゴール・チャチキン氏は、「デジタルルーブルの実証実験に参加する初のロシア銀行のひとつとなれてうれしい」とコメントした。

 同氏は、次のように述べた。

 「将来的に顧客に提供できるデジタルルーブル関連のサービスをさらに検討する計画であり、実証実験中の最初の経験を基に検討を進めていく」

 一方、PSB(プロムスビアズバンク)は、同社プラットフォーム上で行われた「実世界での」デジタルルーブル取引の詳細を発表した。

 メディアArgumenti i Factiによると、PSBは21日、顧客が「デジタルウォレット」を開設し、アプリが作成するQRコードを使った「サービス決済に成功した」と発表した。

 同行はこの顧客について、「オンライン教育分野で活動する」実業家であると伝えている。

 同メディアは、次のように続けた。

 「この実業家は、PSBのモバイルアプリを使ってデジタルルーブルを(従来の)ルーブルに交換したり、反対にルーブルをデジタルルーブルに交換したり、デジタルルーブルでB2C(企業と消費者の取引)取引を実行したりすることもできた」

 デジタルルーブルを使った取引手数料は0.3%に設定されているが、P2P(ピアツーピア)取引は無料で行うことができると、ロシア中銀は述べた。

●ロシアの銀行がCBDC開発を後押し?

 ロシアでは他にも約11行が、全国十数の都市で一部の顧客を対象にCBDC実験を行っている。

 ロシア中銀によると、地方銀行を含む16行が実証実験に「直ちに」参加できる「準備がある」という。

 しかし、すべての大手銀行がCBDCに積極的というわけではない。

 国内最大の銀行協会は、実証実験のペースを遅らせるよう中央銀行に求めている。

 また、ロシアの「メガバンク」であるロシア貯蓄銀行とティンコフの2行は、土壇場で実証実験プロジェクトから脱退した。

 この2行が再び実証実験に加わるかどうか、あるいはCBDC取引の処理が法的に義務付けられるまで待つかは、今のところは不明だ。

 専門家らは23年、ロシア中銀がCBDCを発行した場合、商業銀行は年間6億8400万ドルの損失を被る可能性があると指摘した。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/russian-banks-mts-psb-say-customers-are-now-using-digital-ruble.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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