オマーンが大規模な暗号資産投資、イスラム法準拠か議論が継続
中東のオマーンは、一連の大規模な投資で、暗号資産(仮想通貨)の世界への参入を続けている。
アラビア半島南東の湾岸部に位置する同国は、競争の激しい地域におけるデジタル・ハブとしての地位の確立を目指している。
フォーブスの報道によると、同国政府は暗号資産マイニング事業に11億ドル近くを投資する計画を明らかにした。
オマーンの公共サービス規制局で局長を務めるシェイク・マンスール・ビン・タレブ・ビン・アリ・アル・ヒナイ氏は、最近の記者声明で、「このイニシアチブは、倫理的で持続可能な慣行へのコミットメントを維持しつつ現代技術を組み入れ、経済を多様化させるという目標に沿ったものだ」と述べた。
その重要な投資の1つが、アブダビに拠点を置くエンジニアリング企業のフェニックス・グループとの3億ドルの取引だ。
同社は提携の一環として、グリーン・データ・シティという150メガワットの暗号資産マイニング・ファームを開発する予定だ。これは、オマーン初の認可を受けた暗号資産マイニング企業となる。
24年に開始する予定のこのプロジェクトは、デジタル分野で傑出したプレーヤーになるためのオマーンの道のりの重要な節目になる。
さらに、エクサヘルツ・インターナショナルは、地元自治体と協力して3億7000万ドルの暗号資産マイニング・ファームの認可を取得しており、10月までにさらに1万5000台の機器を配備する計画だ。
エクサヘルツのジャッド・フレデリック・カルマCEO(最高経営責任者)は取材の中で、「当社のプロジェクトは、専用のハードウェア、ハイパースケールな機能、スマートなエネルギー消費の相乗作用によって、従来のマイニング・データ・センターの垣根を超えるものだ」と述べた。
「私たちは、オマーンの40年のビジョンに合致する、革新的かつ持続可能で強固な枠組みを構築している」
オマーンによる暗号資産の採用は、地域全体のトレンドに一致するものだ。中東の多数の国々は、デジタル通貨の利用にますます前向きになっている。
●オマーンによる暗号資産の採用、シャリーア準拠の議論を呼ぶ
オマーンによる暗号資産の採用は、一般的に金融活動を含む様々な事柄に関する正しいイスラム的行動を意味する、シャリーア法の準拠に関する議論を巻き起こしている。
イスラム学者は、暗号資産の許容について意見が分かれている。
一部の学者は、暗号資産の投機的な性質はシャリーア法の下では許容できないものとみなされると主張している。
この意見は、トルコ、エジプト、インドネシアなどの国々の有力なイスラム団体によって支持されている。
反対に、暗号資産支持派は、暗号資産にはリバーとして知られる利息の徴収が無いため、ハラール(許容可能)とみなすことができると主張している。
さらに、通貨の1形態としての暗号資産の普及によって、イスラムの原則に準拠しているという主張が強化されている。
学者の間での議論は続いているが、イスラム教徒が多数派の国々では近年、暗号資産の普及が著しい。
チェイナリシスの22年10月のレポートは、暗号資産市場が急速に成長している地域として、中東と北アフリカを取り上げた。
普及率上位20カ国のうち4カ国がイスラム教徒多数派の国々で、インドやナイジェリアなどのイスラム教徒が多い国々も含まれていた。
しかし、イスラム世界での暗号資産の規制状況は、未だ統一されていない。
アラブ首長国連邦などの国々は、暗号資産起業家にとって魅力的な目的地として自国を位置づけ、暗号資産関連事業に好意的な環境を提供しているが、トルコなどの国々は、決済や金融仲介物としての暗号資産の利用に制限を課している。
(イメージ写真提供:123RF)
This story originally appeared on cryptonews.com.
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