制度整備が進展するアジアで機関投資家が暗号資産への意欲高まる

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 アジアで規制上の明確性が改善される中、同地域における機関投資家のデジタル資産採用が勢いを増している。

 米IT系ニュース配信サイトのテッククランチによると、コリア・ブロックチェーン・ウィークにおいて、韓国、香港、日本、シンガポールが積極的に暗号資産(仮想通貨)分野への投資の機会をうかがっていると業界関係者が明かした。

 このポジティブな動きは、テラ/LUNAの破綻やFTXの破産申請など、過去1年間で業界の発展が妨げられた一連の挫折を経て生じたものだ。

 アバ・ラボの韓国責任者であるジャスティン・キム氏は、アジアの企業はこの業界に耳を傾け知識を得ることにより前向きなため、米国や欧州と比べ、同地域では機関投資家による採用がより広がっていると述べた。

 他の地域は「腕を組んで様子をうかがっている」と同氏は付け加えた。

 さらに、アジアの規制当局は暗号資産企業への認可を増やしており、機関投資家にとって好ましい環境が生み出されている。

 dYdX財団のチャールズ・ドーシーCEO(最高経営責任者)は、アジアでは規制上の承認を受けた暗号資産企業が増加しており、暗号資産に対する機関投資家の意欲が急速に高まっていると述べた。

 ドーシー氏は、特に香港は暗号資産規制に「極めて好意的」になっていると述べ、金融業界がより大規模で中国本土との繋がりがあるため、シンガポールを超える可能性があるとした。

●アジア各地で機関投資家の興味は異なる

 機関投資家による採用がアジア各地で異なることは注目に値する。

 世界的なアルゴリズム型取引及びマーケット・メイキング企業のアウロスでCCO(最高商務責任者)を務めるジェイソン・アトキンス氏は、まずシンガポールが国際的な機関投資家による採用で大きく前進し、韓国と日本が続いたと説明した。

 韓国は、外国為替の資本規制通貨を有しており、国民は高度に規制されているため、マーケット・メーカーや流動性プロバイダーには比較的好意的ではない、と同氏は述べた。

 しかし、韓国では大企業や機関投資家の間でブロックチェーン・ソリューションに対する大きな需要が存在する。

 機関投資家にとっての最優先事項は、認可を得たカストディアンへのアクセス、深い流動性プール、そしてカウンターパーティ・リスクの管理だ。

 機関投資家が待望している成果の1つが、米国でのビットコイン(BTC)現物ETF(上場投資信託)の承認だ。

 クリプト・ドットコムの社長兼COO(最高執行責任者)であるエリック・アンツィアーニ氏は、ビットコイン現物ETF承認は採用の波を生み出し、その後12カ月間は投資家にとって焦点になるだろうと語った。

 ドーシー氏は、より多くの機関投資家の注目を集め取引の機会を生み出すことができるイーサリアム(ETH)現物ETFの可能性にも言及した。

 「アロケーターは現在極めて強気だ。彼らはアクティブな投資家ではないが、ビットコインETFやイーサリアムETFが出現することで、アロケーターやトレーダーが参入し非効率性を活用する手助けとなる」

 一方で、22年と比べると市場の信頼が増しており、機関投資家全体の需要が高まっている。

 特に若い世代のアジアのファミリー・オフィスはデジタル資産を受け入れ、暗号資産市場に資産を配分している。

 テラ/LUNAの破綻や中央集権型暗号資産企業の破産などの出来事は一時的に成長を妨げたが、デジタル資産市場のインフラはかなり強化された。

 ペイパルが最近ステーブルコインのペイパルUSD(PYUSD)を立ち上げたことは、市場の成熟を実証している。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/growing-institutional-appetite-for-crypto-asia-amid-regulatory-developments.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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