英中銀次期副総裁、暗号資産の価値とリスクについて語る

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 英国のイングランド銀行(中央銀行)の次期金融安定担当副総裁は、暗号資産(仮想通貨)はまだ金融安定性に大きなリスクをもたらすものではないと述べた。

 11月1日に就任するサラ・ブリーデン氏は、議会の財政委員会で開かれた公聴会で、暗号資産の価値とリスクについて論じた。

 ブリーデン氏は、暗号資産がもたらすリスクについて注意を促す一方、その基礎となる技術の潜在的な利点を強調した。

 「暗号資産は本質的な価値を持たない資産であり、その価格はゼロになる可能性があるため、投資家は全資産を失う覚悟が必要だ」とブリーデン氏は述べた。

 「そのリスクについての警鐘は一貫しており、非常に明確である。しかし、このテクノロジーは金融システムに利点をもたらす可能性を秘めていると思う」

 同氏はまた、基盤技術が金融システムに利点をもたらす可能性があることを認めた。

 具体的には、イングランド銀行が暗号資産をギャンブルに例えたことに反論し、暗号資産は金融活動として扱われるべきであると示唆した。

 ブリーデン氏はその責務の一環として、暗号資産に対する英国の規制アプローチの形成に重要な役割を果たし、CBDC(中央銀行デジタル通貨)の発行に関する意思決定プロセスにも寄与することになる。

●暗号資産は現時点で金融安定性にリスクをもたらさない

 現在のところ、ブリーデン氏は暗号資産が金融安定性に大きなリスクをもたらすとは考えていない。

 しかし、同氏は暗号資産がより広範な金融世界と相互接続するようになった場合、特にステーブルコインが決済に使用された場合の潜在的なリスクについて懸念を表明した。

 ブリーデン氏は、暗号資産部門のリスクを浮き彫りにした最近の出来事について言及した。

 例えば、暗号資産価格の下落は、米国のシルバーゲート銀行とシグネチャー銀行の破たんのきっかけとなった。

 また、テラUSD(UST)ステーブルコインの崩壊や、一部の取引所や融資企業が陥ったトラブルは、暗号資産エコシステム内の組織が伝統的金融と同等のリスクに晒されているということを再認識させた。

 ブリーデン氏は、暗号資産市場のグローバルな性質を踏まえ、規制と監督に対する包括的かつ一貫したアプローチを促進するため、規制当局間の世界的な協力の重要性を強調した。

 「こうした市場のグローバルな性質を考えると、包括的で一貫性のある規制・監督アプローチを推進するため、各国の規制当局が協力することが重要である」

 同氏はCBDC構想について、デジタルマネーの基礎になり得ると主張した。

 しかし、デジタルポンドを導入する際には、プライバシーに関する懸念に対処する必要があることを認めた。

 ブリーデン氏は、英国が暗号資産規制への取り組みを強化している中でイングランド銀行の次期金融安定担当副総裁に就任することになる。

 英国は6月、ブレグジット後の大規模な金融規制改革の一環として、暗号資産とステーブルコインを規制する法案を可決した。

 「金融サービス・市場法」と名付けられたこの新たな法律は、暗号資産部門に適合した枠組みを確立する権限を規制当局に与え、暗号資産の「英国での安全な導入」を支援するものである。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/incoming-boe-deputy-governor-discusses-cryptos-value-risks.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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