暗号資産関連企業との取引が多かったシルバーゲート銀行が全預金債務を返済
暗号資産(仮想通貨)関連企業を中心に取引をしていたシルバーゲート・キャピタルが、残りの預金債務を全て返済したと発表した。
同社は22日、事業解体計画の一環として、残りの預金債務を全て返済したと語った。
シルバーゲートは声明の中で、「シルバーゲートは引き続き、銀行清算の実行に注力する」と述べ、現在の保有資産は1万ドル未満だとした。
カリフォルニア州ラ・ホヤに拠点を置く同行は、預金返済後の現金及び現金同等物の残高はプラスだと語ったが、同社には訴訟、規制問題、そして捜査に由来する潜在的負債も存在する。
●シルバーゲート、任意清算に
シルバーゲートは、今回の全ての預金債務の返済に先立ち、23年に事業解体を決定していた。
同行は3月、暗号資産取引所FTXの破綻により損失を被った後、任意清算を行う意向を明らかにしていた。
シルバーゲートは、22年11月のFTX破綻で最も大きな打撃を受けた金融機関の1つだった。
報道された通り、シルバーゲートはFTX破綻後に取り付け騒ぎとなり、約81億ドルの出金を補てんするため、多額の損失を出してバランスシート上の52億ドルの債券を全て売却せざるを得なくなった。
その結果、同行は7億1800万ドルの損失を被った。これは、同行の13年以降の総利益を上回っていたという。
同行の21年の預金は119億ドルだったが、22年末にはわずか38億ドルとなった。
●暗号資産に好意的だった銀行の破綻
22年の暗号資産崩壊とその伝統的金融機関への波及効果を一因とした銀行危機の中で、暗号資産に好意的だった複数の大手銀行が23年に破綻した。
3月上旬には、シルバーゲート銀行の親会社であるシルバーゲート・キャピタル・コーポレーションが、銀行事業の解体と子会社の清算の決定を発表した。
シルバーゲートの破綻からわずか2日後には、シリコンバレーのハイテク及びグロース系新興企業への最も有名な貸し手の1社だったSVBフィナンシャル・グループが、取り付け騒ぎの末に倒産した。
同時期には、暗号資産に好意的だったシグネチャー銀行が、システミック・リスクの恐れから米規制当局によって閉鎖された。
暗号資産に好意的だったこれら大手3行の閉鎖を受けて、暗号資産企業は慌てて提携銀行を探すこととなった。
伝統的銀行が暗号資産業界へのサービス提供により慎重になる中、比較的小規模な地方銀行や代替決済サービス業者が姿を現した。
米国では、ペンシルバニア州に拠点を置くカスタマーズ・バンコープが人気の選択肢となった。同行は、暗号資産取引の基盤となる米ドル送金の清算をサポートするリアルタイム決済プラットフォームを立ち上げた。
米国の他の金融機関では、クロス・リバー・バンク、ウエスタン・アライアンス・バンコープ、アクソス・ファイナンシャルなどが一部の暗号資産企業に銀行サービスを提供している。
(イメージ写真提供:123RF)
This story originally appeared on cryptonews.com.
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