テザーのCEO、FBIなどへの協力で制裁リストにあるウォレット凍結と

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 テザー(USDT)ステーブルコインの発行企業であるテザーは、米上院議会の銀行住宅都市問題委員会と下院金融委員会に送った書簡を公開し、セキュリティへの献身と法執行機関との緊密な協力について明言した。

 最近、テザーのCEO(最高経営責任者)に就任したパオロ・アードイノ氏は、議員への書簡の中で、OFAC(財務省外国資産管理室)の制裁リストに関連するウォレットに保有されているUSDTトークンを凍結するという同社の決定について力説。米司法省、シークレットサービス、FBI(連邦捜査局)と協力し、合計4億3500万USDTを管理する326個のウォレットを凍結したと述べた。

 ただ、凍結されたウォレットに保有されているトークンは、前述の金額よりも少ないとみられている。

 アードイノ氏はまた、同社のプラットフォームに米シークレットサービスを導入し、FBIとも同様の手続きを進めていることを明らかにした。

 これらの提携は、業務の完全性と安全性を確保するため、法執行機関との協力に尽力するテザーの取り組みを強調するものである。

 この書簡は、上院内で暗号資産(仮想通貨)推進派として知られるシンシア・ルミス上院議員に宛てたもので、銀行住宅都市問題委員会と下院金融委員会の委員長および有力メンバーにも送付された。

 テザーは議員とのやり取りを通じて、法執行機関との協力や規制基準を準拠するための取り組みについて透明性を提供したいと考えている。

●テザー、制裁対象個人のトークンを凍結

 テザーは9日、OFACの制裁対象となった個人のウォレットを凍結した。

 同社は当時、世界的な法執行機関や規制当局と協力することで、トークンの不正利用を防ぎ、セキュリティ対策を強化することが目的であると説明していた。

 ブロックチェーンデータによると、テザーは合計161個のイーサリアム(ETH)ウォレットを凍結。ただし、このうち150個のウォレットはUSDTを保有していなかったという。

 残り11個のウォレットでは、350万以上のUSDTトークンが保有されており、これらトークンの大部分、340万USDTが単一のアドレスに集中していた。

 注目すべきは、このアドレスが賭博プラットフォームStakeの最近のハッキング事件に関連していたということだ。

 USDTを保有するウォレットのうち、2つのアドレスにはそれぞれ約2万USDTが、もう1つのウォレットには約6万USDTが保有されていた。

 残りのウォレットの保有額は少額で、1つのウォレットではわずか16セント相当のUSDTが保有されていた。

●テザーのビットコイン投資が実を結び始める

 23年5月、テザーは実現益の最大15%を継続的にビットコイン(BTC)に配分する計画を発表した。

 その目的は、BTCや他の資産を保有することで、暗号資産市場の低迷時における購買力の損失から準備金を保護することだとしている。

 最近の相場上昇により、テザーが保有するビットコインは購入時から約85%(11億ドル)増加している。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/tether-ceo-details-partnership-with-fbi-and-secret-service-in-letter-to-legislators.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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