コインベースの市場支配、新たなビットコインETFが課題に

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 米国に拠点を置く暗号資産(仮想通貨)取引所のコインベースが、米国での現物ビットコイン(BTC)ETF(上場投資信託)の承認を受けて、競争の激化と市場支配に対する潜在的課題に直面している。

 ブラックロック、フランクリン・テンプルトン、ウィズダムツリーなどの有名な資産管理会社は、コインベースを提携カストディアンとしてデジタル資産エコシステムに参入しようとしている。

 コインベースは短期的にはカストディ収入を享受することになるが、同社の中核である取引事業への潜在的影響について、アナリストは懸念を表明している。CNBCが10日に伝えた。

 現物ビットコインETF承認によって、伝統的な株式・債券ETFと同じ仕組みを通じて投資家がビットコインにアクセスできるようになり、コインベースなどの純粋な暗号資産取引所を利用する必要性が減る可能性がある。

●ETFが市場シェア奪う

 CNBCが引用した最近のレポートでは、バーンスタインのアナリストが、約3000億ドルに相当する世界のビットコイン供給量の約10%が、5年以内にETFによって管理されるようになると予想している。

 その結果、ETFは伝統的な金融市場と暗号資産市場を繋ぐ重要なパイプラインとみなされている。

 コインベースの株価は、新たなETFで暗号資産への関心が高まるという期待を一因として、23年に約400%上昇した。

 コインベースのブライアン・アームストロングCEO(最高経営責任者)は、取引手数料以外への収入源の多角化への取り組みを強調しているが、一部のアナリストは同取引所の市場シェアに関する潜在的課題に懸念を表明している。

●コインベース投資家にとって「厳しい現実」

 みずほのアナリストによると、ETF承認が収入に与える影響は極めて小さい可能性があり、ETF提供会社のカストディアンとしての手数料は「極少ない」ことにコインベース投資家が気付けば、彼らは「厳しい現実」に直面するかもしれない。

 さらに、ETF取引の割引手数料や手数料無料の取引を提供する他のプラットフォームとの競合が、コインベースにとってさらなる課題となっている。

 にもかかわらず、信頼性や流動性の増加、新たな機関や参加者の参入など、現物ビットコインETFが暗号資産分野全体もたらす可能性があるポジティブな影響について、コインベースは引き続き楽観的だ。

 同社のエミリー・チェCOO(最高執行責任者)は、「ETFはパイを拡大し、暗号資産経済に新たな人々や機関をもたらす」と述べ、次のように付け加えた。

 「金などの他の資産クラスでそうであったように、それらが市場の信頼性を高め、流動性と市場の安定性が増すだろう」

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/coinbases-market-dominance-challenged-by-new-wave-of-bitcoin-etfs.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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