「ドル建てステーブルコインは米ドルの優位性を高める」とウォラーFRB理事(再掲)

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 米FRB(連邦準備制度理事会)のクリストファー・ウォーラー理事は、過去に暗号資産(仮想通貨)は「リスクが高い」と発言していが、今は米ドル建てステーブルコインに対して肯定的な見解を示している。

 ウォーラー氏は15日にバハマのナッソーで開催されたカンファレンスで、DeFi(分散型金融)は実際に米ドルの優位性を高める可能性があると主張した。同氏は、テザー(USDT)やUSDコイン(USDC)など、米ドルに連動するステーブルコインは米ドルの世界的な地位を強化すると述べた。

 「ステーブルコインの時価総額の約99%は米ドルと連動しており、暗号資産は事実上、米ドルで取引されている」と同氏は述べた。

 DeFi業界での取引拡大は「単に米ドルの支配的な役割を強化するだけだ」と同氏は指摘した。

 通常、暗号資産の急成長は米ドルへの依存度を下げる可能性がある。しかし、ほとんどのDeFi取引では米ドル連動の暗号資産が使用されているため、その可能性は低いと同氏は説明した。

 ウォーラー氏は20年、トランプ前大統領政権下でFRB理事に就任。23年2月、同氏は暗号資産投資家に対し、投資額のすべてを失う可能性があると警告した。

 同氏は当時、暗号資産には本質的な価値はなく、「リスクの高い」投機に過ぎないと主張。「私にとって、暗号資産はベースボールカードのような投機的資産に過ぎない」と述べた。

●ステーブルコイン法案の成立迫る?

 一方、米国では暗号資産業界待望のステーブルコイン法案を推進する議員がいる。マキシン・ウォーターズ下院議員はPoliticoとのインタビューで、ステーブルコイン法案の最終合意が「非常に近づいている」と語った。「私たちはステーブルコインに取り組んでいる。最終決定に非常に近づいている」と同氏は述べた。

 ウォーターズ氏は、下院金融サービス委員会のパトリック・マクヘンリー委員長と20カ月以上にわたってステーブルコイン法案について交渉してきた。

 また、サークルのジェレミー・アレールCEO(最高経営責任者)などの暗号資産業界における著名人らは、米国のステーブルコイン法案について楽観的な見方を表明している。24年初めにダボスで開催された世界経済フォーラムでCNBCのインタビューに応じた同氏は、「勢い」があり、24年中にステーブルコイン法案が成立する可能性は「非常に高い」と述べた。

 さらに、規制上の安全策を重視しながらも、イノベーションを促進するために暗号資産を導入する国も増えている。例えばシンガポールは、暗号資産業界の受け入れに積極的な国として長く認識されている。

 23年8月、MAS(シンガポール金融管理局)は、SCS(単一通貨ステーブルコイン)に適用されるステーブルコインの規制枠組みを発表した。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/usd-pegged-stablecoins-could-boost-dollar-dominance-fed-governor.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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