欧州の専門家、EU全域での匿名型暗号資産ウォレットの禁止はないと主張

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 ある業界専門家が24日、EU(欧州連合)が匿名の暗号資産(仮想通貨)ウォレットおよび取引を禁止したという主張の「誤りを指摘」した。

 EUの最近のAML(マネーロンダリング対策)法が、匿名の暗号資産アカウントの禁止を特に狙ったものだという報道が23日に業界で広まった。

 しかし、業界専門家のパトリック・ハンセン氏はこれらの主張に言及し、この法律は特に暗号資産を狙ったものではないと明言した。

 同氏は、「23日に起こったことは、暗号資産政策に関して、暗号資産関連のツイッター(そして多くの場合、暗号資産メディア)を信用すべきでないことを示す典型例だ」とX(旧ツイッター)に記した。

 「EUが匿名の暗号資産取引や自己管理型ウォレットを禁止しようとしているという主張の誤りを証明しよう」

 同氏は、この法律は「暗号資産規制ではなく」、全ての金融機関に適用される広範な枠組みだと強調した。これには、ギャンブル系サービスなどのAMLリスクが生じやすいサービスに加え、CASP(暗号資産サービス・プロバイダー)が含まれる。

 「このAML規制は、MiCA(暗号資産市場規制)の規制下にある全てのCASP(取引所や仲介業者など)に適用される。これらのCASPは、CDD(顧客デューデリジェンス)などの標準的なKYC(顧客確認)/AML手続に従う必要がある」とハンセン氏は記した。

 さらに、匿名型暗号資産ウォレットの完全禁止に関する噂とは逆に、このAMLにはそれらに関する条項が含まれている。ハンセン氏によると、この規則は、自己管理型ウォレットは匿名の利用者にサービスを提供できないとする既存のAML規制に既に含まれているという。

 「また、CASPはプライバシー・コインにアカウントを提供することも許されていない。これは既に、EUだけでなく世界的な慣習だ」

 さらに、MiCAは既に、匿名化機能が組み込まれた暗号資産の上場を禁止している。「そのため、これも新しいものではない」と同氏は述べた。

●EUのAML法は暗号資産にとって何も新しいものではない?

 ハンセン氏は、この規制は主にCASPへの既存のAML規則を再確認するものだと記した。この法律がEU地域の暗号資産業界に与える影響は「極めて限定的だ」と同氏は指摘した。

 さらに、この法律は自己管理型の決済、ウォレット、あるいはP2P(ピア・ツー・ピア)送金に対し、過激な新規制を課すものではない。

 「そのため、EU内で制限無く自己管理型ウォレットを使ってモノやサービスを購入することができる」

 この最終案は、3月にEUの経済金融委員会で承認されており、EU議会の本会議とEU理事会における最終的な承認のみを必要としている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/expert-clarifies-no-eu-wide-ban-on-anonymous-crypto-wallets.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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