イーサリアムのレイヤー2ネットワーク、30年までに時価総額1兆ドルに到達か
投資管理会社ヴァンエックのアナリストらは3日、イーサリアム(ETH)のL2(レイヤー2)ネットワークの成長見通しについての報告書を公開した。同レポートによると、イーサリアムのL2は30年までに1兆ドルの市場規模に達するという。
同レポートは、ヴァンエックのシニアデジタル資産投資アナリストであるパトリック・ブッシュ氏、デジタル資産研究責任者のマシュー・シーゲル氏がまとめたものだ。
ブッシュ氏とシーゲル氏は、L2ブロックチェーンがイーサリアムの主要な課題に対応すると予測している。その課題とは、処理、保存、データ計算の面での制限である。
両氏はまた、イーサリアムのスマートコントラクトにおけるドミナンスについて、これはその比類なきセキュリティと分散性によるものであると主張。しかし、スケーラビリティはイーサリアムネットワークに根強く残る重要な課題であるした。また、イーサリアムの利用が拡大するについて、取引手数料や処理時間も急増していると指摘。これは、急速に拡大するエコシステムの需要に対応するネットワークの能力を妨げているとした。
イーサリアムでは、L2の取引処理能力を強化するための開発努力が続けられている。
最近のDencunアップグレードなどのアップルグレードは、スケーラビリティの懸念に対処し、ユーザーエクスペリエンスを向上させるというイーサリアムの決意を示している。
●イーサリアムのレイヤー2ネットワーク、将来的にベースとなるネットワークを上回る収益を生む
ブッシュ氏とシーゲル氏は、L2ネットワークがベースのイーサリアムネットワークよりも大幅に多くの収益を生み出す可能性が高いと予測している。レポートには次のようにある。
「L2の収益はイーサリアムを超えると予想している。なぜなら、イーサリアムはL2の取引処理能力やユーザーエクスペリエンスには匹敵しないからだ」
ヴァンエックのレポートは、何千ものユースケースに特化したL2ネットワークがブロックチェーン領域に誕生する未来を予測している。これらのネットワークは、セクター、アプリケーション、または機能によって区別され、業界を再構築し、新たな可能性の領域を解き放つ能力を秘めている。分散型ソーシャルメディアプラットフォームから特殊な金融アプリケーションまで、イノベーションの可能性は無限に広がるだろう。
両氏によると、最終的には少数の一般目的L2チェーンが出現する。これらのチェーンはネットワーク効果の恩恵を受け、エコシステムの基礎となる可能性が高い。比類ないユーザーベースによって強化されたこれらのチェーンは、この領域で大きな市場価値を獲得することができると両氏は述べた。
●ヴァンエック、L2トークンについて警告発する
L2ネットワークに関する楽観論にもかかわらず、ブッシュ氏とシーゲル氏は、L2関連トークンの行き過ぎた評価に警告を発している。両氏は、「熾烈な競争」があると指摘した。レポートによると、トップ7のイーサリアムL2トークンはすでに400億ドルの評価額を持ち、市場が飽和状態に達する可能性があるという。したがって、将来の成長見通しを評価する際には注意が必要である。
イーサリアムのL2ネットワークは、業界全体に影響を与えながら進化し続けている。スケーラビリティがこれまでの限界を乗り越え、時価総額1兆ドル到達に向けての旅が始まるかもしれない。
(イメージ写真提供:123RF)
https://www.coinspeaker.com/ethereum-layer-2-networks-trillion-market-cap-vaneck-analysts/
This story originally appeared on Coinspeaker.
最新記事
ランキングページ
ビットコイン詳細ページ
イーサ詳細ページ
XRP詳細ページ