独中銀総裁、デジタル・ユーロは28年か29年まで開始しないと述べる

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 デジタル・ユーロは28年か29年まで発行されない可能性が高い。ドイツの中央銀行のヨアヒム・ナーゲル総裁が24日に語った。

 同氏はDZバンク・キャピタル・マーケッツ・カンファレンス2024において、「実際に導入されるまで、あと4、5年はかかるかもしれない」と述べた。

 ECB(欧州中央銀行)は、23年末にこのプロジェクトの2年間の「準備段階」を開始した。ECBはこの期間中に、規則を最終決定し、民間部門のパートナーを選び、試験と検証を行う予定だ。

 この2年間の後、政策理事会が次の準備段階に進むかどうかを決定する。これにより、将来の発行の基礎が築かれる、とECBは述べた。

 ナーゲル氏によると、政策理事会は欧州の立法手続きが完了するまで決断を下せないという。

●デジタル・ユーロ、ユーロ圏の決済の統一狙う

 デジタル・ユーロは、基本的に現金のデジタル版であるCBDC(中央銀行デジタル通貨)として構想されている。これは暗号資産(仮想通貨)と異なり、中央銀行によって裏付けられるものだ。ECBは、中央銀行通貨の機能とアクセシビリティを改善するためにCBDCを調査している多数の中央銀行の1つだ。

 ナーゲル氏は、欧州の決済方法の利点を強調した。同氏は、安全で、便利で、迅速で、信頼でき、自由で、ユーロ圏全域で受け入れられるものになると述べた。

 ドイツのバンクカードは現在、他のユーロ諸国では使えないかもしれない、と同氏は指摘した。デジタル・ユーロは、様々な取引を円滑化する可能性がある。これには、特に通貨として法的に認められた場合、オンライン購入から店舗内取引、そして公的機関への支払いなどが含まれる。

 多くの人々は、(銀行が提供する)既存のオンライン・バンキング・アプリか(ユーロシステムが提供する)基本的な機能を備えたスマートフォン上のデジタル・ユーロ・アプリを使って、デジタル・ユーロで支払いを行うだろう、と同氏は述べた。

●ECB、疑念を押し返す

 批判者らは、デジタル・ユーロ案に反対している。銀行と規制当局は、保有する通貨が目減りすることを恐れている。一方、他の人々はプライバシーを懸念している。既存の選択肢と比べて大きく優れてはいないかもしれず、金融危機の際には銀行に問題を引き起こす可能性さえあると主張する人々もいる。

 デジタル・ユーロは、現在米国企業が支配している決済に競争をもたらす、とECBは述べた。銀行に害を与えるという懸念に対処するため、ECBは1人が保有できる額を制限する予定で、3000ユーロ前後になる可能性が高い。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/digital-euro-launch-not-expected-until-2028-bundesbank-president.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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