スイス中銀総裁、ホールセール型CBDCに代わる2つの選択肢について議論(再掲)
スイス国立銀行(中央銀行)のトーマス・ヨルダン総裁は、同行が金融資産をトークン化するための最善の方法を検討していると語った。
ヨルダン氏は6日にバーゼルで開催されたイベントで、中銀がホールセール型CBDCに代わる選択肢を調査していることを明らかにした。
同氏はホールセール型CBDCの長所と短所について説明し、中銀が「プロジェクト・ヘルヴェティア」の一環として実証実験を実施していると述べた。同プロジェクトは23年12月に立ち上げられた。
このプロジェクトでは、参加銀行はスイスフランのホールセール型CBDCを使って、SIXデジタル取引所でトークン化された債券での取引を決済することができる。
ヨルダン氏は、「中央銀行マネーでの決済は2つの理由から極めて重要なものである」と主張した。
「まず、決済における信用リスクを排除し、流動性リスクを最小化することで、金融安定性に貢献することができる。次に、金融システムの頼みの綱として、中央銀行マネーの役割を強化することができる」
同氏はまた、実証実験によってトークン化された中央銀行マネーがサードパーティーのプラットフォームで利用できるようになると説明。これにより、現在の縦割りの金融市場インフラにおける障壁をなくすことができるとした。
「このアプローチは、トークン化のメリットを実現することを目的としているが、同時に課題も抱えている」
ヨルダン氏は、ホールセール型CBDCの2つの課題として、ガバナンスと中央銀行マネーの断片化を挙げた。
⚫︎ヨルダン総裁、ホールセール型CBDCに代わる2つの選択肢を提案
ヨルダン氏は、中銀がホールセール型CBDCの他にも2つの決済アプローチをテストしていると述べた。
「1つ目の代替アプローチは、トークン化資産プラットフォームとスイスRTGSシステムを接続するというもの。2つ目は、トークン化資産プラットフォームで発行されるプライベートトークンを使用するというものだ。このトークンは中銀の預金残高によって倒産リスクが軽減され、完全に裏付けされている」
このRTGS(即時グロス決済)アプローチは、ガバナンスと中央銀行マネーの断片化の両方の課題に対処するものである。しかし、縦割り運営とメッセージによる同期化という古いやり方も使われていると同氏は指摘した。
プライベートトークンについては、「資金と資産を同じプラットフォーム上で保有する統合的な決済アプローチを可能にする」と説明。このアプローチはガバナンスには対処するが、断片化という課題を解決することはできないという。
これら2つのアプローチは、そのメリットとリスクを慎重に検討する必要があるとヨルダン氏は述べた。
(イメージ写真提供:123RF)
https://cryptonews.com/news/swiss-national-bank-chair-discuss-wholesale-cbdc-alternatives.htm
This story originally appeared on cryptonews.com.
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