ロンドン拠点の決済処理事業者チェックアウト・ドットコム、社長が退任

 一時は欧州で最も人気の新興企業であったロンドン拠点の世界決済処理業者チェックアウト・ドットコムの上級会社役員が退任する。

 創業者のギヨーム・ポサーズ氏の6月12日の声明によれば、社長兼COO(最高業務執行責任者)のセリーヌ・デゥフェテル氏は同社で3年の勤務後、個人的な理由で退任する。21年以降、同社のグローバル収益事業を率いていたジェニー・ハドロー氏が後任となる。

 デゥフェテル氏はトップの財務と運営リーダーとして、ティー・ロウ・プライスで勤務後、21年にチェックアウト・ドットコムのニューヨーク事務所に異動となった。同氏の退任は以前は成功していた新興企業の困難な時期と一致している。

・市場の低迷でチェックアウト・ドットコムの400億ドルの上昇が中断

 企業は資産の移動、管理、最適化のために、チェックアウト・ドットコムを利用している。以前、同社はクリプト・ドットコム、ムーンペイ、ブロックチェーン・ドットコム、サークル、ストライクを含む暗号資産企業数社と提携していた。

 22年初期、チェックアウト・ドットコムは米投資グループのタイガー・グローバルとシンガポール政府投資公社GICから資産を調達した。これは400億ドルの評価額で、同社を欧州で最も価値のある民間テクノロジー企業にした、とファイナンシャル・タイムズは報じた。

 しかし、22年12月、チェックアウト・ドットコムは評価額が70%以上ダウンの110億ドルまで削減を余儀なくされた。金利上昇がベンチャーキャピタルに支援されている部門に悪影響を与え、この下方修正は金融テクノロジー業界の幅広い低迷と一致した。
85052107_m.jpg
・バイナンスとの分裂にかかわらず、チェックアウト・ドットコムは暗号資産への依存を軽視

 ファイナンシャル・タイムズによれば、チェックアウト・ドットコムのロンドン拠点は営業損失が著しく増加し、22年に3倍以上の1億2600万ドルとなった。この低下は主に消費者支出の低下と暗号資産取引活動の減少に起因する。

 チェックアウト・ドットコムは、営業損失の増加は特にフィンテックと暗号資産顧客に影響を与えている困難なマクロ経状況に起因すると考えている。特に新出のデジタル資産顧客の間での取引高の大幅な減少を同社は指摘した。

 23年、規制の懸念に言及し、チェックアウト・ドットコムは暗号資産交換所バイナンスとの契約を打ち切った。この決定を受けて、バイナンスは法的措置を検討した。

 しかし、暗号資産だけが同社の総合的なパフォーマンスの主要因ではないとチェックアウト・ドットコムは以前に話した。デゥフェテル氏によれば、23年9月時点で、暗号資産企業は合計処理量の4%以下しか貢献していない。

 (イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/checkout-com-coo-departure-crypto-client-woes.htm

最新記事
ランキングページ
ビットコイン詳細ページ
イーサ詳細ページ
XRP詳細ページ