トヨタ、車両にイーサリアム・ブロックチェーンの導入を検討

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 日本の自動車大手トヨタが、車両のMOA(モビリティ指向アカウント)設計へのイーサリアム(ETH)ブロックチェーンの活用を検討している。

 この設計では、将来的には完全自動運転を実現する可能性がある自動車用ブロックチェーン・デジタル・アカウントの構築を提案している。

 トヨタのモビリティ3.0コンセプトの一環として先週公開されたこのプロジェクトは、ブロックチェーン上のスマート・アカウントとしてのモビリティの探求を主軸としたものだ。

 車両モビリティをパブリック・ブロックチェーン上に導入することで、権利がトークン化され、車の機能が完全に独立したサービス主体となる。

 「これらの特徴が示す最も極端なシナリオが、将来的な完全自動運転だ」とトヨタのブログ記事には記されている。自動モビリティでは全ての権利がオンチェーンの世界で処理されるため、人間による操作はもはや不要になるという。

●トヨタの各自動車がイーサリアム上に独自のアカウントを保持

 トヨタは、イーサリアム上のアカウント抽象化標準であるERC-4337を基盤として、MOAを設計する方法を模索している。

 興味深いことに、ERC-4337上のMOA設計では、秘密鍵が失われても車両のブロックチェーン・アカウントは保持される、と同社は述べた。

 「アカウント抽象化は、認証プロセスを鍵の管理から分離し、秘密鍵が失われてもアカウント自体は保持されるようにする。これによって、より安全で柔軟なアカウント管理が可能になる」とトヨタは記した。

 さらに、イーサリアムを利用することで、使用履歴などの車両に関する情報の管理がより透明で効率的になる。

 また、ERC-4337では「アカウントがデプロイされる前にアドレスを確定的に設定」できる。このことは、既存の車両IDシステムとオンチェーン・アドレスとの橋渡しに役立つ。

 トヨタは、車両所有者の情報と「利用権」を保持する、NFT(非代替性トークン)標準に準拠したキー・トークンのコンセプトも提案した。

 「車両へのアクセスをMOAに紐づけられたNFTとして表現することで、NFTを移動するだけで許認可を管理できる」と同社は述べた。

 「これにより、ハードウェアを意識することなく『利用権』をデジタル的に処理でき、開発者によるカー・シェアリングなどのサービスの実現がより容易になる」

 トヨタのブロックチェーン・ラボは、車両向けのMOA基盤プロジェクトを提案している。同ラボは、ブロックチェーンの利用を促進するために、19年にトヨタ・グループ内に設けられたバーチャル組織だ。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/toyota-eyes-incorporating-ethereum-blockchain-into-vehicles.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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