USDコイン運営のサークル、iPhoneでタッチ決済を導入へ
ステーブルコインUSDコイン(USDC)の運営企業サークルは、アップルがセキュア決済チップへのアクセスをサードパーティ開発者に許可したことを受け、iPhoneでタッチ決済を導入する予定だ。
同社のジェレミー・アレールCEO(最高経営責任者)はXへの投稿で、「iPhoneでUSDCを使ったタッチ決済が間もなく登場する。ウォレット開発者のみなさん、エンジンをかけてください」と述べた。
この新機能は、アップルのNFC(近距離無線通信)チップとSE(セキュアエレメント)を使用する。これらはこれまで、アップル独自のウォレットアプリとアップルペイに制限されていた。
●ブロックチェーン基盤の決済がiPhoneで可能に
アップルが最近これらの技術を開放するという決定を下したことで、ブロックチェーン基盤の決済システムをiPhoneエコシステムに統合することが可能になった。
これにより、店頭でのUSDCを使った直接決済が可能になり、iPhoneベースのウォレットアプリがフェイスIDなどの機能を使ってユーザーに取引の確認を促し、ブロックチェーン上でシームレスに決済を行えるようになる。
アレール氏はこの計画の可能性を強調し、iPhoneの技術と高性能で低コストのブロックチェーンネットワークを組み合わせることで、USDCを使った店頭での直接決済のための強力な手段を開拓することができると主張した。
アレール氏は、「これにより、POS(販売時点情報管理)がUSDCを受け入れるブロックチェーンアドレス、または支払う金額をiPhoneに伝えることができ、iPhoneベースのウォレットアプリは、(フェイスIDなどを使って)決済確認を行い、USDCを決済するためにブロックチェーン上で取引を開始することができる」と説明している。
「これを高性能で低コストのブロックチェーンネットワークと組み合わせることで、店頭で直接USDC決済を行うための強力な手段を切り開くことができる」
さらに、アップルの動きの影響はUSDCだけにとどまらない。
アレール氏は、NFCへのアクセスが開放されることで、NFT(非代替性トークン)やEURCなどのステーブルコイン、その他さまざまなデジタル証明書にも活用することができると指摘した。
ただし、この新機能はまず、オーストラリア、ブラジル、カナダ、日本、ニュージーランド、英国、米国を含む一部の国のみで利用可能となる。
EU(欧州連合)については、アップルの発表では言及されていない。
一方、メタマスクは決済分野で独自の躍進を遂げている。同社はマスターカードとBaanxと提携し、セルフカストディ・デビットカードの試験運用を開始した。これにより、英国およびEUのユーザーは、自身の暗号資産(仮想通貨)ウォレットから直接モノやサービスを購入できるようになる。
●決済企業が暗号資産を採用
4月、フィンテック大手のストライプは、6年ぶりに暗号資産決済サービスを再開すると発表した。
同社はソラナ、イーサリアム、ポリゴンブロックチェーン上のUSDCで決済サービスを再始動する。
同社は14年、暗号資産業界に進出し、主要デジタル資産であるビットコイン(BTC)を使ったテストを開始した。
しかし18年、同社はビットコインのボラティリティの高さと交換手段としての適正の欠如を理由に、ビットコインのサポートを停止することを決定した。
ストライプ以外の決済企業も、決済手段としてステーブルコインを採用している。
最近では、シンガポールを拠点とする決済会社トリプルエーが、ペイパルのステーブルコインを決済対応トークンリストに追加する計画を発表した。
シンガポールで初めて認可を受けた暗号資産決済企業として、トリプルエーは6月末までにペイパルのステーブルコインPYUSDのサポートを開始することを目指している。
現在、同社は主にビットコイン、イーサリアム(ETH)、テザーとサークルが発行するステーブルコインの決済サービスを提供している。
(イメージ写真提供:123RF)
https://cryptonews.com/news/circle-to-introduce-tap-and-go-payments-on-iphones.htm
This story originally appeared on cryptonews.com.
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