セーシェル、暗号資産サービス・プロバイダーの規制法案を可決(再掲)

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 インド洋に浮かぶ島国のセーシェル共和国の国民議会が、VASP(暗号資産サービス・プロバイダー)を規制するための法案を可決した。

 ナディール・ハッサン財務大臣が提出したこの法案は、暗号資産(仮想通貨)に関するリスクを緩和し、法的・倫理的枠組みの中でVASPを運営させるための同国の広範な戦略の一環だ。

 この新法は、セーシェルでVASPとして活動しようとしている全ての団体に対し、会社法または国際事業会社法の下で会社を設立することを義務付けるものだ。

●申請者にはセーシェルにおける実体の証明を義務付け

 申請者は、セーシェルでライセンスを得るためには、居住者である取締役と適格者を配置した事務所を有するなど、同国における実体を証明しなければならない。

 さらに、この現地事務所を通じて全ての運営記録にアクセスできなければならない。

 「申請者がライセンスを得るためには、居住者である取締役が存在するなど、セーシェルにおける実体を証明することが重要な基準だ」とハッサン氏は述べた。

 「適格な労働者を十分に配置した事務所をセーシェルに有し、その事務所を通じて全ての記録にアクセスできる必要がある」

 ハッサン氏は、個人の申請者は考慮されず、セーシェルの中央銀行の規制を既に受けている団体は同行から追加の承認を得る必要があると付け加えた。

 ウォレット・サービス・プロバイダー、暗号資産取引所、投資プロバイダーを含むVASP候補者は、ライセンスを取得する前に徹底的な審査を受けることになる。

 同法は、暗号資産分野のイノベーションの推進と、マネーロンダリングやその他の不法行為を防止する必要性とのバランスを模索している。

 これは、国際標準、特にFATF(金融活動作業部会)による勧告に沿ったものだ。

 FSA(セーシェル金融サービス機構)が、この新たな規制の執行を担当する。

 同法には、詐欺や不適切利用といった暗号資産に関する潜在的リスクについて、顧客や企業を教育するという条項が含まれている。

 この動きは、急速に進化するデジタル金融業界において、セーシェルが積極的な規制当局としての地位を確立し、金融システムを保護しつつ技術的進歩を支援することへの同国のコミットメントを強化するものだ。

●EUのMiCA規制

 MiCA(暗号資産市場)枠組みは、加盟国間の暗号資産規制を一貫性のあるものにするために、EU(欧州連合)が制定した包括的規制枠組みだ。

 これは23年4月に欧州議会で承認され、段階的に施行されている。

 MiCA枠組みの一環として、同地域で発行されるステーブルコインは強化された規制要件の対象となる。

 ステーブルコインに対するものを含む様々な条項が段階的に導入されており、完全準拠は24年末になる予定だ。

 ステーブルコイン発行者は6月30日から、特定のMiCA要件を遵守することが求められている。

 USDコイン(USDC)を発行するサークルは、7月1日にMiCAに準拠した最初の世界的ステーブルコイン企業となった。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/seychelles-passes-bill-to-regulate-virtual-asset-service-providers.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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