ワールドコイン、香港で業務停止命令―プライバシーコンプライアンス問題で

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 香港のプライバシー監視当局であるPCPD(個人情報保護委員会)は22日、オープンAIの創設者サム・アルトマン氏のワールドコイン・プロジェクトに対し、同地域でのすべての活動を停止するよう指示した。これには、虹彩スキャン装置を使って一般市民から虹彩と顔の画像をスキャンして収集することも含まれる。

 PCPDは、24年初めにワールドコインの活動について調査を開始。その結果、同社がデータプライバシー法に違反していると結論づけた。

 PCPDは、12月から1月にかけてワールドコインの拠点を6回に渡り秘密訪問を行なったという。1月下旬までに、PCPDは証拠を集めるために令状を得て持ってこれらの拠点を強制捜査した。

 記事投稿時、ワールドコインはクリプトニュースの取材に応じていない。

⚫︎PCPD、過剰なデータと不正な慣行についてデジタルIDプロジェクトを非難

 PCPDは、ワールドコインが香港で無料の暗号資産(仮想通貨)を提供していることを確認した。利用者はこの暗号資産を取得するために、虹彩スキャンと顔認証を行い、実在の人物であることを証明しなければならない。これがプレイバシーに関する懸念を高め、同局調査員は8000人以上の人々がワールドコインの運営中にスキャンを受けていたことを特定した。

 PCPDのエイダ・チョン氏は、状況を検討した結果、ワールドコインの運営は香港のデータ保護法に違反していると判断した。さらに、顔画像と虹彩画像の収集は「不必要かつ過剰」であるとした。

 さらに調査では、データ取集システムが不公正であることが明らかになった。ワールドコインは、プライバシー通知や生体認証データ同意書などの必須書類を、香港の主要言語である中国語で提供しなかったとされる。さらに、生体認証データを提供することに伴う潜在的なリスクについて利用者に伝えることを怠り、寄せられていた問い合わせにも対応しなかった。

⚫︎プライバシー懸念が指摘される前の香港でのワールドアプリダウンロード数は数百万に上る

 ワールドコインの広報担当者は2月、クリプトニュースに対し、ワールドコインプロジェクトは個人情報に関して適用される法律や規則の遵守を優先していると述べた。

 23年7月の香港でのローンチ以降、ワールドコインは多くのユーザーを引き付けた。わずか6ヶ月の間に、同社の暗号資産ウォレットアプリ、ワールドコインアプリは100万人以上のアクティブユーザーを獲得し、400万ダウンロードを達成した。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/worldcoin-hong-kong-cease-operations-privacy-concerns.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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