英デジタル銀行のKrooが暗号資産取引を禁止

196337143_m.jpg

 ロンドン拠点のチャレンジャーバンクKrooは「ユーザーの口座と資金の安全を確保する」ために、顧客に暗号資産(仮想通貨)取引への従事を禁止した。

 「24年5月30日から口座と資金の安全を確保するために、暗号資産プロバイダーに関連する銀行送金やカード決済を処理しない」と同行の更新された利用規約に書かれている。

 さらに、暗号資産の購入や取引に使用された「口座を凍結、および制限する」とKroo銀行は記した。また、暗号資産取引からクレジットを受け取る口座を「閉鎖する」可能性もある。

 「そのような活動を発見すれば、関与する決済を処理しない。また、執拗にそういった取引を行えば、口座を解約する可能性もある」と同行は警告した。

 暗号資産関連のオンライン詐欺の増加があり、今回の動向があった。

 最近、英国のロイズ銀行は23年に23%急増した若手投資家を標的にした暗号資産詐欺に対する緊急の警告を発した。暗号資産被害者は平均で1万741ポンドを損失し、他の種類の詐欺よりも高額だと警告は指摘した。

 スターリング銀行とチェース銀行を含む英拠点のチャレンジャーバンクの中で、Kroo銀行は暗号資産関連取引を禁止した最新の銀行だ。デジタル銀行のスターリング銀行は「暗号資産活動はリスクが高い」と言及し、22年に暗号資産送金に対する禁止を発令した。23年10月、JPモルガンの英リテール銀行であるチェース銀行は暗号資産の違法利用に対する懸念が高まる中、顧客の暗号資産へのアクセスを制限した。

 英のナショナル・ウェストミンスター銀行も同様の手法を取り、顧客の暗号資産出費に制限を設定した。顧客は1日に最大1000ポンド相当、30日間で5000ポンド相当の決済ができるとナショナル・ウェストミンスター銀行は記した。

・暗号資産コミュニティに厳しすぎる?

 今回の動向は制限ではなく、全面的禁止だ。詐欺とともに、禁止のもうひとつの理由は規制上の課題だ。

 最近、英のFCA(金融行動監視機構)の取引の透明性に関する規制により、暗号資産の信頼性が疑問視されている。

 さらに、Kroo銀行の動向は暗号資産は信頼できないという考えを強調している。ブロックチェーン保護会社コインカバーのCEO(最高経営責任者)デビッド・ヤニシェフスキ氏は、チェース銀行の暗号資産禁止の際に、「暗号資産関連活動すべてを禁止すると、最終的に顧客離れが起こる可能性もあり、その代わりに、このような問題に根源から取り組むより堅固な安全対策を導入することで、盗難や損失を防ぐことができる」と強調した。

 (イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/uk-digital-bank-kroo-to-ban-crypto-transactions-effective-may-30.htm

最新記事
ランキングページ
ビットコイン詳細ページ
イーサ詳細ページ
XRP詳細ページ